ソーシャルワーカーが後進の教育に携わるシステム作り③

公開日: 2011/04/10 MSW

ソーシャルワーカーが後進の教育に携わるシステム作り
ソーシャルワーカーが後進の教育に携わるシステム作り②
参照)ソーシャルワーク実践を伝承可能な言語に昇華させるために


前々回から記している上記エントリーについては、スーパーバイズにおける、スーパーバイザー・バイジーの関係とは少し違ったものになります。



そもそも現場経験10年未満のソーシャルワーカーのスーパーバイズ機能はいかほどか?と考えた時、それは自身の実践を言語化し、表出する、伝えるということをいかに積み重ねてきたかによると思うのです。
根拠を曖昧にしたまま積み重ねられた実践は、砂の器のように脆いものとなるのではないでしょうか。


そういった意味で、ここで考える「ソーシャルワーカーが後進の教育に携わるシステム作り」は、学生や新人ソーシャルワーカーに対しての教育的リソースであると共に、スーパーバイズ機能を有したソーシャルワーカーを育てていこう(自分たちもそういった意識を持って成長していこう)という思いの先に生まれた考えです。


スーパーバイズ機能をしっかりと有した(教育的機能を有した)ソーシャルワーカーを育てる場として、教える側の先輩にとっては「自身の実践を言語化し、後輩にあった言語で伝えていく」というエクササイズの場となり、そして後輩にとっては、学生時から入職までのサポートに加え、超短期的なケースに対する相談だけではなく、中長期的な関わりの中で相談をすることができる場となればよいなと思っています。

要は共に学びあえる場として存在するシステムとしてスタートできればと思っています。

志して同じ業界の仲間になった(なりたい)と思った人たちと、自分が持っているリソースを共有したいなという思いが正直なところです。バーンアウトして、または新人がつぶれて、この業界を去って行く人が少なくなるように…とそんな思いも有ります。

職場内に先輩ソーシャルワーカーがいれば、相談することはできます。
例えば、ケースについて困った際に「こうすればいいのではないか」というアドバイスは当然受けられると思います。

ですが、先輩ソーシャルワーカーの「自分だったらこうすると思う」などというアドバイスは、後輩が今現在対処しなければならないケースに対するもの(超短期的なもの)であることが多いように思います。

「後進の教育に携わるシステム作り」を考えるにあたって、大事にしたいと思ったことは、


個別のケースへのアドバイスからいったん脱したうえで、後輩の成長過程において、彼(彼女らの)の前に、どのような問題としてなにが現れていて、それに対峙している後輩を先輩としてサポートするためにどのような関わりができるか」という教育的視座を持ち、後輩ソーシャルワーカーの立ち位置を捉え、後輩の成長度合いを勘案したうえで(中・長期的に)、自身の実践というリソースを言語化し、後輩に伝えていけたら、というとことです。

そういった関わりを意識化して積み重ねていくことは、先輩ソーシャルワーカーにとっても得るものは非常に多く、『アセスメントの核となる、「判断根拠の言語化」』(メールをくださった方の表現を拝借)を身体に染み込ませていく、覚え込ませていくトレーニングにもなると思うのです。


というようなやり取りをメールをくださったMSWの方とさせていただきました。
同キャリアの同業者の方が同じような問題意識を抱いていることにとても勇気づけられました。


少しずつ動き始めていこうと思っています。
ご意見等ありましたら
【wish0517○gmail.com(○をアットマークに)】までお願いします。


新しい職場にも少しずつ慣れてきました。
来週も頑張ります。





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