モチベーション3.0

公開日: 2011/12/17

先日、学生さんから「モチベーションを維持する方法は何か」というメールをいただきました。よい機会だと思ったので、自身の考えをまとめる意味で「自身のモチベーションの源泉」について記してみようと思います。


自身のモチベーションを駆動させる源泉は「危機感」と「貢献」の二つに尽きます。



これは、モチベーション3.0(著:ダニエル・ピンク)でいうところの『自分の内面から湧き出る「やる気!=ドライブ!」に基づくOSに位置づくものだと考えます。
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〈モチベーション1・0〉…生存(サバイバル)を目的としていた人類最初のOS 。
〈モチベーション2・0〉…アメとムチ=信賞必罰に基づく与えられた動機づけによるOS。ルーチンワーク中心の時代には有効だったが、21世紀を迎えて機能不全に陥る。
〈モチベーション3・0〉…自分の内面から湧き出る「やる気!=ドライブ!」に基づくOS。活気ある社会や組織をつくるための新しい「やる気!」の基本形。



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以前にもBlogで書きましたが、現場2年目に奥川幸子先生の「身体知と言語」に出会わなければ「危機感」をベースにした言語化へのモチベーションは駆動しなかったのだろうと思っています。



言語化による「個から普遍へ」というのは私の中の永遠のテーマです。


奥川先生の著作を読み強烈な危機感を覚え、Blogでの言語化をはじめて早3年が経ち、実践を言語化するのは「習慣化」しました。風呂に入って歯を磨くのと同じように、「言語化」したいのに時間や場所の制約で出来ていない時自分がすごくストレスを感じます。これは一生続くのだろうと根拠も無く感じています。それが社会人になってから唯一続いているポジティブな習慣かもしれません。



ある一定の実践知をまとめてBlogにて言語化する(できる)ようになって早3年。これを5年、10年と続けていく中で、新たな境地が見えてくるはず。自分をモデルケースに「ソーシャルワーク実践解体新書」をまずは描くことを一つの目標にしたいと思っています。


自分の援助者としての質は他者によってはかられるものですが、常に対象となる人の前に立つ自分が「昨日よりも進歩している自分」であるようにと誰よりも強く思っています。日々、反省と挑戦を繰り返し、進歩を自己評価するのが、個から得られた普遍的な実践知であり、言語化されて初めてそれは自分の持ち物になるのだと信じているからです。


個別のケースから普遍的な実践知の考え方の枠組みなどを創造し、自分の職業的価値観としての屋台骨とし積み重ねることが、言語化の大きな目的となります。その副産物として他者に伝えられる、継承可能な実践知が生まれる。そして、私はそれを出来る限り多くの方とシェアしたいと思っています。


私自身が「誰かと自分の知見をシェアしたい」と思うのは、私自身が、今までの人生において多くの人たちに「そこは自分の範疇外だから」と言えば見て見ぬ振りをできただろうことを、「自分の範疇に引き入れて」手助けをしてもらったからこそ、今ここに存在できている、ということを実感しているからです。だから自分も、日々自分が得たものを誰かのために還元し、誰かに貢献したいと思うのです。


その思いが、「新人さんがバーンアウトするのを防ぎたい」という理由に繋がります。
個々が尊敬できるロールモデルをリアルでもWEB(もはや境界線はない)でも見つけられる環境・ツールが整っているのだから、それを新人さんには活用してほしいのです。長くこの仕事を続けていけることを願って。


自分は現場1年目の頃、本当にパワーレスで研修も欠席しっぱなしでした。言葉にできる実践なんて何も無かったのです。そして、その時期を打破するには長い時間がかかりました。バーンアウトする前に、使えるヒト・モノ・ツールを最大限活用して、自分が長く仕事を続けていける環境を築いてほしい。そして、自分もその一助になれたらと思うのです。


既存のソリューションを採用して得られる「その場しのぎのわかった感」をグッと我慢して、その先にある実り多き果実を目指したいと個人的には思うのです。これはパッシブな学びからは得られにくい、だからアウトプットが必要だと思うのです。



誰のためになるかわからない論文を一本書くのなら、誰かを鼓舞できる文章を10本書きたい。今は正直そういう気持ちが大きいです。今は特定の領域に興味関心が無く、日々自分の身体が感じるノイズを言語化することでクリアにし、目に見えるカタチで実践知を積み上げていきたい、という思いが自分のモチベーションを駆動させています。


先日、大学の後輩から「先輩がものすごくソーシャルワークの仕事を面白そうに語るからソーシャルワークの仕事に惹かれたんです」と、さらっと言われました。ふとその言葉を思い返して、これ以上ない嬉しい言葉だなと思いました。自分はそういう貢献の仕方をしたいんだと改めて思わせてくれた後輩の一言でした。


たかが5年目、普通のソーシャルワーカーである自分であっても、実践知を発信していくことで、どこかでパワーレスになっている同業者に少しのパワーを届けられる可能性を持っていると信じています。


極論、自分が死んでからもBlogに自分の実践知は残ります。今現在の自分で言語化可能な実践知はほぼ全てBlogに格納しています。だから時代の影響を受けることのない普遍的なものを書き記し、いつか、未来の誰かのためになれば本望だと考えています。(大真面目に…笑


WEB上の緩やかな紐帯が、個人のモチベーションを駆動するバックアップシステムになってもいいと思っています。そして、自分も誰かのモチベーションを駆動するバックアップシステムでありたい、とも。



今、そして未来の誰かのモチベーションを駆動させる装置として、リアルとWEBの間で存在し続ける。それが「危機感」と「貢献」により形成された、私のモチベーション3.0です。




【私の危機感というモチベーション駆動要素を発動させた一冊】







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Blogエントリ目次:当Blogのエントリをカテゴリ別にまとめました。
「ソーシャルワーク言語化のススメ」:メールマガジン刊行中です。
Social Workers Books Store:ソーシャルワークに関する書籍をあつめました。



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