意図的に想像力の幅を広げるための方法

公開日: 2011/12/11 MSW


この仕事には「想像力が大事だ」なんてよく言われます。
でも、「想像力って一体全体どうやって鍛えるのさ?」という疑問に教科書は答えてはくれません。


私自身も『患者さん家族の生活を想像する「生活想像力」が必要だ!』なんて1、2年目の頃は鼻息荒く思っていましたが、実際に「じゃあどうするのよ」という小さなステップさえ言語化できずにいました。


本エントリでは、想像力を鍛えるための一助として考えられる「お手軽メソッド」を紹介したいと思います(なんか不謹慎な始まりですいません…笑



多くのソーシャルワーカーは、患者さん家族と関わる中で、日々、相手の仕草、言葉の意味について、「これはこういった意味だろうか?こう考えているからこういう行動をするのだろうか?」など、「推測」による暫定的なラベルを付けながら話を進めているのだと思います。


結論から言いますと、患者さん家族の言動等に対して最初につけた「推測」による暫定的なラベルと全く正反対の意味付けを持つラベルを同時に思考の中に「意図的に生み出す」ことで、想像力の幅はものすごく広がると考えています。


例えば、電話先の相手の声色ひとつとっても、相手に対し「なんだか精神的に不安定そうな人」と最初の印象を抱いた際に、「はじめての人間との電話で緊張しておどおどしているのだ」と意図的・強制的に「想像力の振れ幅」を拡張させることで、電話先の相手に対する想像力の幅は広がり、自分の中で用意・準備しておけるアクションのパターン数は多くなります。


自身の陥りがちな思考プロセスへのカウンター(対抗策)として「正反対の事象」へ想像を及ばせて、意図的・強制的に「想像力の振れ幅」を拡張させることは、日々意識し続けることで鍛えることができるのだと考えます。


思考のルーチンに乗せることができればあとは継続あるのみ。
ダメなら変えてみる。試行錯誤が大事。


既存の思考のフレームにすべてを乗せて考えると、楽ですし、フレームを強化し、それで様々な問題に対処することはとても大事ですが、そればかりだと、思考に遊びを持たせて、回り道をしたり、違う道を通った際に偶然見つける「気づき・アイデア」には辿り着けにくくなるのだと思います。


他者の言動を、いちいち想像力のジェットコースターに乗せる、ということは「想像力の幅」を広げる上で、とっても有用で意味のあることであり、「想像力」っていうのは、いろいろな言葉を知り、いろいろな人を知り、いろいろな歴史を知り、色々な事実に対して色々な意味付けの仕方をすること、そういった過程で鍛えられていくものだと思っています。


そういった意味で読書は、値段に対して上記のエッセンスが多く散りばめられているので、書籍にはお金はかけるべきだと個人的には思っています。





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