本を読むことで得られる果実

公開日: 2011/08/23 読書記録

先日のエントリ「相手にとってわかりやすい言葉で伝えることの意味について考える」にて

これは、トレーニングのひとつでもあるのですが、制度でもなんでも、ひとつの制度や文章について「どのような言い換えができるか」「どのような表現を用いれば、より説明を聞く相手がイメージをし易くなるか」ということを考えながら、というか考える癖をつけながら、日々の仕事をしていくことが、「相手の視点に立って物事を考える」という目標を行動に落とし込むための一番簡単で確実な方法である「常に相手にとってわかりやすい言葉選びを意識し、日々実践すること」に繋がる

と述べましたが、表現の語彙や言い回しを増やすには本を読むのが一番だと考えています。



内容はともかく、とりあえずは大量の活字に触れてみる。小説でもエッセイでもルポでもなんでもいい。とりあえず他人の書いた文章を読んでみる。

他人が書いた文章の中から自分が好きだなと思う表現を拝借して、取り入れる、使ってみる。それを繰り返していくと、そのうち、借り物の言葉も、自分の言葉の一部として使えるようになる。


表現も模倣からはじめていいのだと思います。


多くの表現に触れて、取り入れてみる、使ってみる。
自分以外の人間の表現をシャワーのように大量に浴びることで、少しずつ語彙や言い回しは増えていくのだと思います。こればかりは「覚える」ものではなくて、シャワーを浴びる中で、自然と「口をついて出る」ようになっていくのだと思います。

本を読む、他人の書いた文章を読むことは、知識を得るということ以外にも、多くの果実を与えてくれる、というのが個人的な実感です。そして、読むことができるようになる、表現のストックが増えてくると、次第に「書ける」ようになってきます。


私自身、20歳くらいの頃からたくさんの文章を書いてきました。
自分の気づきや、そのとき考えていること、感じていることをその都度書き起してきました。このブログもその延長線上にあります。


先日、現場実習にいくという学生さんからきたメールにて

ブログに「考えたこと、思ったことを書き記したり、誰かに伝えたり、『表出』する作業を出来る限り、継続するとよい」と書かれているのをみて、普段から自分はなぜこういう行動をしてこんな気持ちになったのか、これからどう考えていけばいいのか・・・といったことを余裕のある限り書き出すようにしました。そうすると、「自分」というものについて少しずつわかってくる面が増えたり、人と前より深い話ができるようになったりしているのを最近実感してきました。


という一節がありました。
なにか特別な勉強をしなくとも、日常生活上には、自分を成長させてくれるエッセンスがいっぱいあるのだと思います。要はそれに気づき、活かすことができているか、それを楽しんで実行できているかの違いなのだと思います。


今、時間のある学生さんに一言伝えるのだとしたら


本を読もう。
文章を書こう。誰かに自分のおもいや考えを伝える機会を持とう。
文字に言葉に触れ、表現を日常生活に溶け込ませよう。


とお伝えしたいです。

医療ソーシャルワーカーは、患者さんのカラダには触れず、言葉を含むコミュニケーションで仕事をする職種です。

現実(リアル)は言葉で切り取ってはじめて「他者との共有可能性を付するリアル」になる。

抽象的な表現ではありますが、現場5年目の自分は、そのように考えています。



最後に猪瀬直樹氏の著作を紹介します。
自分の時間を使って頭に汗をかくことも立派な投資なんですよ。土日にのんびり寝ている暇があるなら本の一冊でも読まなくちゃ。もし時給1000円の人が本一冊読むのに3時間かかったとしたら、3000円プラス本代の自己投資をしていることになります。その投資を惜しんで、「いいアイデアが浮かばない」と嘆いていても、どこからも救いは来ませんよ。(「突破する力」P55)








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