ソーシャルワーカーたちがつくる”新しい社会の変え方のデザイン”についての一考察

公開日: 2014/05/17


ソーシャルワーカーが現場でクライエントと出会った「いまここから」援助過程はスタートし、生活を再構築するために関わり、人生のいっとき、時間をともにする。


・クライエントとソーシャルワーカーが出会う「現在」
・共に生活の再構築を目指す先にある「未来」
・クライエントとソーシャルワーカーが出会う以前の「過去」


ソーシャルワーカーは、クライエント共に目指す未来のために、クライエント自身の「過去」を何よりも大切にする。言い換えれば、

・その方が、過去のいつ、どんな状況で、どんな困難に出会ったか? 
・その困難にどのように対処し、その結果どうなったか? 
・そして、その結果を、自分自身がどうとらえているか? 
・いつ、どこで、どんな助けがあったら、よかったと思っているか?

(これはクライエント本人の口から理路整然と語られることはなかったとしても、未来に向けたアセスメントをしっかり行うことのできるソーシャルワーカーであれば、ピースとピースの間を想像力で埋めて、ある程度の見立てができる、できなければいけないと考える)

というようなことを、ソーシャルワーカーは、クライエント自身のもっている力や考え方の枠組みや認識の方法を知るために、聴いている(想像している)

上記のように、「今ここから」より以前の過去を教えてもらうことは、クライエントが生きてきた時間軸を遡ることでもある。

そして、時間軸を遡り、クライエントが自分と出会う前の時間を想像することで、「どうすれば、このクライエントと、この場で自分(ソーシャルワーカー)が出会わずに済んだのか?」と思考することは、社会に存在する個々人の生活を脅かす諸々の「社会の問題」という名の「石や穴」を「発見」することに寄与する。

ソーシャルワーカーたちがクライエントの方達に真摯に向き合い、共に未来をつくろうとする援助過程の中で、共有されたクライエントの過去は、「もう二度と、同じようなことで困る人と出会わない未来」を創るために活かすこともできるはず。いや、活かさねばならない。

ソーシャルワーカーたちの実践知の蓄積をクライエントと出会う前の過去まで時間軸を遡ることで、社会問題という「石と穴」を「発見する」のプロセスをデザインすることができる。


それは、”新しい社会の変え方のデザイン”の、入り口になり得ると考えている。


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