(Books)フロー体験 喜びの現象学 (SEKAISHISO SEMINAR) [単行本] M. チクセントミハイ (著)

公開日: 2014/04/22 勝手にブックレビュー 読書記録

ここ2年くらい滾る心理的エネルギーについて考える上で、客観的な視座指標をもつべきだと考えていて出会った一冊。




ハイデッカーなどの哲学者が採用した、「個人の生活に形と意味を与える目標を志向する行為を意味する投企」、心理学者が採用した「固有努力」、「ライフテーマ」などの引用して述べている「ライフテーマへの意味の統合(P288)」が、アジャスト過ぎたので引用。

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個人の心理的エネルギーがライフテーマのもとに統合されている時、意識は調和を達成する。 

しかし、すべてのライフテーマが等しく生産的であるというわけではない。実存主義哲学者は真正の投企と偽の投企とを区別する。前者は選択の自由を実現し、自分の経験に対する合理的な評価に基づいて決定をくだす人のテーマを意味している。 

それが純粋にその人が感じ、信じたことの表明である限りその選択が何であるかは問題ではない。偽の投企は人々が行わなければならないと感じて選び、自分以外の皆がしているから、したがって選択の余地がないから選ぶものである。真正の投企は内発的に動機づけられ、それ自体の価値のために選ばれる傾向があり、偽の投企は外的な力によって動機づけられる。 

自分の経験と選択の認識から行為の筋書きを書く発見的ライフテーマと、以前にだれかが書いた筋書きから規定の役割を取り上げるだけの受容的ライフテーマとの間にも同様な違いがある。 
いずれのライフテーマも生活に意味を与えるのに役立つが、それぞれに問題がある。受容的ライフテーマは社会システムが健全なものである限りよく機能する。健全でない場合、それは人を逸脱した目標へ導く。

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なんというか、必死で血反吐を吐くくらいの勢いで勝ち得てきた概念が、こうもあっさりと他者によって定義されていることに、ジェラシーを感じると共に、人間の知性のすごさを感じる。

自分が欲している文脈を探す読書モードというのは、必要に迫られて稼働するなと思う。
確実にここ数年で選書眼が肥えてきているように感じさせてくれたうちの一冊でした。

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