(Books)包括的コミュニティ開発: 現代アメリカにおけるコミュニティ・アプローチ [単行本] 仁科 伸子 (著)

公開日: 2014/04/22 勝手にブックレビュー 地域包括ケア 読書記録

5000円の数十倍以上の価値ある一冊でした。




アメリカのコミュニティ・アプローチの先駆的な試みである「包括的コミュニティ開発」について著者が行ったフィールド調査も含めて書かれてます。


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包括的コミュニティ開発(Comprehensive Community Initiatives )の定義は以下。
”対象地域の中に非営利組織が事業拠点を構え、ソーシャル・サービス、医療、保健、教育、住宅、基盤整備、経済開発、産業誘致といった地域再生のための多様な取り組みを、包括的、戦略的かつ計画的に展開する”
・Comprehensive…カテゴライズされていない、社会的、経済的、物的なプロジェクトを包括的に実施していくという意味・Community…コミュニティを対象とし、コミュニティ・レベルでの事業を実施していくという意味・ Initiatives…戦略、計画、開発という意味

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「包括的コミュニティ開発」の中核を担うリード・エージェンシーという概念がおもしろい。


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リード・エージェンシー(Lead Agency)は、包括的コミュニティ開発 において、地域の事業計画、事業推進、住民参加、資金獲得等を一手に行う非営利のまちづくり推進組織である。

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上記は、地域、住民、まちづくり、などを、他の言葉に読み替えることができる。

日本が、介護の社会化の次に目指した第三の路である、地域包括ケアシステムと、この”包括的コミュニティ開発”は、規模感は違えど、類似点は多く、行き来して考えると非常に示唆深いし、両者に、想像の共同体という思想的なエッセンスを加えると、頭の中で今後10年、”支え手共同体”はどう形成されるべきかという思考の補助線がどんどん出てくる。


システム的な事例を、頭の中に種々ストックをしておくことで、頭の中で抽象度が勝手にあがり、横断し合って、ヒントを生み出すという体験を多くしているので、多くのモデルを浅く広く頭の中に放り込んでいこうと思っている。


高かったけれど、よい買い物でした!
著者の方に感謝です!!




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