なぜ、対人援助職にとって”自己覚知”が必要なのか?

公開日: 2014/04/26 CW MSW 自己覚知



自己覚知は、「自分が依って立つ価値や倫理、考え方などを含め、自分を知ること」などと表されることが多いですが、平たく言うと、「ソーシャルワーカーとして常に、心身が健康な状態で余裕をもって現場に立ち、自分という人間を活かして援助を行うために必要な方法論」 であると私は考えます。


どんなに知識や技術を有していても、常に疲弊し、余裕の無い状況で現場に立っているようでは、知識も技術も最大限活かされず、クライエントに対する援助の質を一定に保つことはできません。

様々なことが日々起こっても、常に心身が健康な状態で余裕があること、そして、疲れが溜まり、ストレスフルな状態にある自分、という自覚ができること。それが、ひいては、クライエントに不利益を被らせないことに繋がります。


自身の心身の健康を見立てることをせず、避けられる事態を回避せず、無理なスケジューリングをし、「疲れた!でも、あともう一件クライエントと面接!!」などとのたまう援助者は、自己満プレイヤーに過ぎません。(自戒も込め)


自身が現場に立つ上で有している「クライエントヘの不利益を被らせるリスク」の見立てができない人間は現場に立つ資格なんてない。少なくともわたしはそんな人に関わってほしくないし、きっと、わたしは、あなたの職業的自己満足のための”餌”になんてなりたくない!と叫ぶでしょう。


援助者である自分が関わることで、クライエントに必ずポジティブな影響を与えることができると思っているのだとしたら、なんたる傲慢なことでしょうか。


自己覚知がソーシャルワーカーに求められる一番の理由は、「人の人生を左右するかもしれない局面に関わる専門職として、クライエントに対し、不利益を被らせることが決してあってはならない」という前提があるからであり、自身を活用するとかそういうことは、その次にくる話です。それはまた、次元の異なる話なのです。



尾崎新先生の著作。
「自己覚知がなぜ必要なのか?それは援助者としての自身を援助において活かすためである。」という根底にあるメッセージが重低音のように響く良著です。

【振り返り・自分のポジショニングを知る上でためになる書籍】




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