【コミュ論】テンポに着目しコミュニケーションを良好にする
対人援助職と表されることもある医療ソーシャルワーカーの仕事ですが、仕事柄、コミュニケーションについて日々考えざるをえないのは確かです。それはこの仕事の職業的なコミュニケーションの全ては「意味があるもの」でなければならないからです。本エントリでは、【コミュ論】「テンポに着目しコミュニケーションを良好にする」と題し、コミュニケーションにおける「テンポ」について記していきたいと思います。
日々、仕事で患者さん家族、もしくはスタッフと話をする際に、その人のそのときの「時間の流れ」みたいなものに「乗っかる」イメージでコミュニケーションをとることを意識すると、いいテンポが生まれて、コミュニケーションは良好になるのだと感じています。これは沈黙も一緒です。
この「乗っかる」っていう感覚は自分の中ではとても重要なものです。というのは、この仕事におけるコミュニケーションにおいては、あくまで相手(患者さん家族)の舞台で「演者か、舞台か、舞台装置」になるという使い分けの意識が必要で、相手の舞台に「乗っかる」ことから全てはスタートすると考えているからです。この「乗っかる」という意識があるからこそ、より顕著に相手の「テンポ」を見極める必要があるのです。
わたしは、みなひとりひとりに「心地よいコミュニケーションのテンポ」があるのだと思っています。そしてまた、それはそのとき(その日の体調、気分など)によって違うからこそ、真剣に目の前にいる人の「時間の流れ」を読み取ろうとする必要があるのだと考えています。比喩的表現を用いれば、「サーファーが波に乗る際に、波を待ち、波に乗る」ということに似ているのかもしれません。
互いにテンポを共有できると「体感的に心地よい」感覚がコミュニケーション・ベースに生じるので、コミュニケーションに+の影響を及ぼすというのはこの4年半の現場経験から言えることです。
「テンポ」については学生時代に病院ボランティア団体を立ち上げた際に、本当に数多くのいろいろな人をコミュニケーションをとる(とらなければいけない)状況になったときに、気づいたのがはじめです。そして、今のこの仕事について、その意味するところをより一層意識するようになりました。
テンポに着目しコミュニケーションをとることを学ぶには、ひとりの人とたくさんではなく、たくさんの人とコミュニケーションをとるに限るのかなと思います。もし可能であれば、さまざまなバックボーンで年代も異なる人たちを話をすると、より「テンポ」が浮き彫りになっておもしろい気づきがあるかと思います。
「テンポ」についてのみ言えば、同じ人と話をすると、その人に関する基本情報の蓄積がコミュニケーションにおける怠慢というか慣れ(いい意味でも悪い意味でも)を生むので、できれば、たくさんの人と話をすることが、「テンポ」について考える上ではよいのかな、と思います。
ということで、自分のテンポじゃなくって、相手のテンポに「乗っかる」ということ、トライ&エラーしてみてくださーい!
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