総表現社会-梅田望夫氏の著作から-

公開日: 2011/06/12 MSW 読書記録

「総表現社会」とは梅田望夫氏の著作「ウェブ進化論」の中での言葉です。2006年に発売され、当時多くの論争を巻き起したという本書。



私は発売当時に本書を購入しましたが、今改めて読んでみると、当時に読んだ時とはまた違う実感、衝撃が自分の中に沸き起こってくる、私にとっては、楽しくいきていくためのエッセンスを与えてくれるような本です。


氏はその著作の中で、ウェブの進化により、チープ革命(ブログなどの表現に必要なものが無料で手に入るようになる)が起こり、googleなどの検索エンジンにより、現代は、今までのようなジャーナリストや作家などの表現を職業としている人たちだけではなく、誰もが表現すれば不特定多数に届く「総表現社会」になっているのだと述べています。


上記に照らし合わせて述べれば、例えば、ソーシャルワーカーの世界においても、ソーシャルワーカー自らが自身の思考や経験をWEB上で語り、公開することにより、後進のソーシャルワーカーたちはそこから学び、また後進たちも自らが発信する側となる、というような循環が生まれ、「もうひとつの地球」における共有知、集合知としてのプラットフォームが自然と形成されていくのではとワクワクしたりしています。


ブログというツールは、自身の成長の軌跡を残すツールとして非常に優れていると思います。自身の思考や経験を表現し、発信していくことで、それらはWEB上にログとして積み重なり、自身の思考の変遷や自身の成長の軌跡を自分自身に教えてくれます。


これは、言わば、「自分はあのときこういった経験をし、こう思っていた。だから今、こういった考えを有しているのだ」というような、自分自身の「今現在」(今、自分が有している考え)に対して、「考え方の変遷のプロセス」(今に至るまでこのように考えてきた)という根拠を与えるためのトレーニングにもなるわけです。



そしてまた、それを読んだ人が、それは違うのではないかと問題意識を芽生えさせたり、現状を打開するためのヒントを得たり、ときに励まされたり、ということが起こる、ということが発信していくことで起こる副産物なのだと思います。


他者へ対して開かれた自らの脳(オープンマインド)をWEB上に構築していくという作業が、ブログを書くという行為なのだと思っています。


自分自身の成長を願い、思考や経験を発信する、その軌跡を楽しんで没頭してやっていくというのは純粋な思いからスタートします。その純粋な思いが、誰かの助けになったり、誰かとのコラボレーションを生むきっかけになるのであれば、それ以上嬉しいことはないと思っています。

誰かにとっての「ポジティビィティな影響を与えられる存在」であれたら、嬉しい。
誰かを鼓舞する人、鼓舞する言葉を紡いでいきたい、と個人的には思います。



WEB上での発信ではないですが、書籍にてご自身の思考や経験を発信していた奥川幸子先生が、私にとっての「会って話したことは無いけれど、ポジティビィティな影響を与えてもらえる存在」であったことは確かです。

今も先生の書籍を読むと、その思考と経験が凝縮された純度の高い言語に圧倒され、多大なる学びを得ると共に、「よし!自分も頑張るぞ!」という気持ちにさせてくれるのです。

このように、書籍であれ、WEBであれ、自身の思考や経験を発信していくということは、直接会うことがなくても、不特定多数の人に対して何かを伝えることができる、という機会を生むのだと思います。

以前は、そのこと自体が限られた人にしか許されない「特権」的なものでした。ですが、梅田氏のいう『ウェブという「もうひとつの地球」』の存在の出現により、誰しもが、表現し、自身の思考や経験を発信していくことのできる社会になった。


それが、梅田望夫さんの言う「総表現社会」なのだと思っています。


梅田氏は著作「ウェブ時代をゆく」の中で「ブログを書き続けることで、自分の成長を実感できる。成長の過程を見てもらうことで、受動的ではない、能動的な知の生産側に立ち、発信していってもらいたい。見てくれている人も、こいつ成長してるな、と思ってもらえる。」というふうなことをおっしゃっています。

私も全く同じような思いで日々、ブログを書いています。

個人的な思いを強制する気はありませんが、もし、当ブログを何かしらの興味をもって見に来てくださるのであれば、若いソーシャルワーカーの皆さんには、ブログを開設し、自分自身の思考や経験を発信していくことをぜひお勧めしたいです。



「ソーシャルワーカー総表現者化計画」(笑)


多くのソーシャルワーカーの叡智を集結し、Webという「もうひとつの地球」を知の発信基地、集合知のプラットフォームとしていけたらおもしろいだろうなぁとワクワクしています。


そして、これからこの世界の門をたたく若い人たちのとっての、「ポジティビィティな影響を与えてもらえる存在」が、たくさん見つけられる、そんなWEB上で勝手に弟子入りできる(笑)プラットフォームが出来たらおもしろいなーと思っています。


もし、当blogを読まれている方でご自身のblogを開設している方、もしくは開設したよ!という方がいらしたら、ぜひ教えていただけたらと思います。みなさんの思考や経験を発信していくブログを、当ブログで紹介していけたらおもしろいなーと思ったりしています。ちなみに現在3名のソーシャルワーカーの方のブログをリンクさせていただいています。あと97名!(笑


と、好き勝手に書き記しましたが、おもしろいなーっと思うことを考え、書き記していくことって幸せだなと思います。


さ、明日からまたがんばるぞー!!




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