キャラ化/脱キャラ化についての一考察

公開日: 2010/12/12 思索 読書記録

人は日々、自身の容量を消費しながら様々な物事に対処をしています。
全ての物事に全力投球していたらすぐにバッテリー切れになってしまいます。なので、自分の容量の消費量をコントロールするということは意識、無意識に関わらず人が自分を守るためにしていることのように思います。

ソーシャルワーカーという職業については、個人的には感情のコントロールに一番容量を割かれるように思います。感情労働でもあるわけから、なおさらです。
仕事に関わらず、日々他者とコミュニケーションをする中でも、自分の容量のコントロールをしているのだと思います。


そんなこんなで、コミュニケーションにおける省エネ化=「キャラ化」することについて少し考えてみようと思います。

コミュニケーションにおける省エネ化とは、その名の通り、容量を出来る限り消費しない省電力モードでコミュニケートすることで、その際に採用するのは、「ストックされている手持ちのコンテクストで語られるものたち」という予定調和的なストーリー、と定義します。

「キャラ化」とは、予定調和的なストーリーを意図的に用いて、自分優位で「相手の自分に対するラベリングを誘導」し、印象操作を行うこととします。

  
予定調和的なストーリーはいつ、なんどきでも、そらで語ることができます。だから、その際に「得ていく作業」は必要なく、「伝える作業」だけに、自分の容量を多分に割くことができます。

ですが、予定調和的なストーリーから脱し、真実に近いストーリーを現在進行形で得ていこうとすると、相手に自分の意を伝えるということがおろそかになります。「伝える作業」に割ける容量は少なくなります。

つまりは、予定調和的なストーリーという「分かりやすい」物語は、自分の容量の多くを「伝える作業」に投入できるため、自身の「キャラ化」を容易にするわけです。これは、ラベリングを「される」のではなく、他者からのラベリングを「誘導する」という先手を打つことができるということにつながります。

印象操作に長けている人は、自身の予定調和的なストーリーに持たせる印象について熟知しており、その使いどころをおそらく経験的に体得しているような気がします。


例えば、営業職の女の子は、意識的か無意識かわかりませんが、男性陣からのラベリングを「誘導」する予定調和的ストーリーを用いていることが多い気がします。職業的に植え付けられた「キャラ化」の手法が、存分に発揮されているのを見ると(それが多少間違った方向にぶっ飛んでいても。笑)、女性の方が男性よりも「キャラ化」のスキルに長けているのだということを思い知らされるのです。というよりも、女性はモードやコスメで、自分を彩る意識が高いわけなので当然と言えば当然なのかもしれませんが。(詳しくは以下が歴史的経緯も含め詳しく書かれていてよいです)




「キャラ立ち」している女の子は自分優位でラベリングを誘導する術に長けてます。こちらがラベリングしているつもりが、実はそれが巧みに誘導されたラベリングであることにはなかなか気づけません。おお怖いコワい!!(笑)

男性が「あの女の子は自分で自分の可愛さを知っている上で、ああしているんだよなぁ」とテンション下がり気味で言うとき、それは=「キャラ化」の手法がまだ未熟なだけなんだと、読み替えられるのかな、と。笑

そして、「脱キャラ化」するときというのは、自身のルーツをある程度なぞってもらわなければ、文脈を理解してもらえないときであって、「自分のことを知ってほしい」という欲求が最前線に来るとき、自らのアップデートしたての真実を、相手に伝える必要が生じると考えると

真実に近い、を優先すると、手持ちの予定調和的なストーリーから脱する必要があって、そうすると、真実に近いストーリーを構成する方に容量を持って行かれるから、伝え方について割ける容量が減ってしまう。つまりは、必然的にどうしても「キャラ化」できず、「脱キャラ化」せざるを得ないわけです。

「脱キャラ化」するのは、自分が誠意を持って真摯に向き合いたいと思う相手とコミュニケートするときで、その際、「どのようにラベリングされるか」ということよりも、「自分の真実に近いところを相手に伝えたい」ということのほうが優先されるときです。

「脱キャラ」された状態は無防備です。自らの真実を得ていこうとしながら、それを相手に伝えていこうとするふたつの作業を並行するとき、消費される容量は大きくなります。

自分が「脱キャラ化」せざるを得ない相手。
それが誰なのか。考えてみてもおもしろいかもしれません。


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