Books)「生きづらさ」について (光文社新書) 萱野稔人 (著), 雨宮処凛 (著)

公開日: 2015/08/28 勝手にブックレビュー 読書記録

2008年と少し前の本なのですが、本書で語られていることが7年経ってどうかという視点からみると、状況は右肩下がりのように思え、かつ、当時の雨宮氏らの論考の鋭さがあぶり出されます。


雨宮さんの幼少期の経験、バンギャ、右翼団体、フリーター時代の自分語りの中から「どのように社会を眺めていたか、当時を振り返り、どう思うか」ということを軸に本書は進みます。

以下、本書から抜粋します。
雨宮さんが、家族、血縁、友人、共同体、、、拠り所のない若者が、寄辺なき人たちが、社会のどのような渦に吸収されていくか、ということを、一人称で語っているのですが、この当時から7年経った今、それは明らかに加速しているように思えます。

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右翼団体にいたとき、時給1300円くらいでスナックで働いていたのですが、店のママが「日本人は時給が高いから韓国人を雇いたい」といいました。
韓国人は日本人よりも安く使える上に、働き者なのでいい、ということを言われました。 
韓国人の女の子が入ってきたら、「時給が高い」日本人である自分なんかはすぐクビになるだろうと思いました。
そのとき、自分は日本の最底辺で外国人と競争させられているんだな、ということをひしひしと感じました。それと、自分が「日本人」であることが、経営側から見ると非常にマイナスなんだな、と。 
何かすごく大きなものが否定された気がして、自分の身の上に起こっていることがよくわかりませんでしたが、誰にもこのことを言えませんでした。
何か言いようのない「バツの悪さ」みたいなものを感じました。


(中略)

学歴のある人や上の世代の人なんかは、若者が「大いなるものと結びつきたい欲求」によって、ナショナリズムや愛国に走るんじゃないかと指摘したりします。
それもあるとは思うんですが、実際に最底辺の現場で、アジアの人や他の貧しい人と働いていると、「外人部隊」にぶち込まれて働いていると、、、日本人であるということにしか、拠り所がなくなってしまう。

(中略)

だから、けっきょく私が右翼に入ったのは、愛国的な考えがあったからということではまったくなくて、とにかく自分がこの社会では生きづらいと感じていたから。あと、経済至上主義みたいなものがとても居心地が悪くて、それによって自分は日々使い捨てられるし、すごく傷つけられていることも大きかったと思います。

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1時間もあれば読めるのでぜひ。


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