職能団体によるソーシャルアクションデザイン構想

公開日: 2015/05/08 ソーシャルアクション 思索


福祉系の職能団体は、事業型職能団体、アドボカシー型職能団体、教育機会提供型職能団体、など、もっと特色出していけばいいと思います。


サラリーマンとして雇用されているソーシャルワーカーが、マネジメント主義化していくのはソーシャルワーカーも労働者である以上、仕方がないですが(本当は仕方なくはないのですが)、職業の社会的意義を体現する上(つまりはクライアントの利益を追求する上で)でマクロなアプローチが必要であるとしたら、自分で事業を立ち上げるか、もしくは「職能団体」が実施主体としての組織体になる、というのは、アリだと思うのです。


職能団体がどんどん特色を出し、ソーシャルワーカーは活動趣旨に賛同するところに自由にコミット(つまりは会費払う)できるような仕組みをつくっていけば、もっといろんなアイデアがでるではないかと思うのですよね。

東京の区レベルの職能団体が、「その地域のさまざまなニーズに即したソーシャルアクションのプロトタイプ」を行う上で、最適なサイズなようにも思うのです。つまりは、区サイズレベルでのSWのリーダーを職能団体が担ぎ上げていく感じです。

飲み会とかもいいけど、ソーシャルアクションのプロトタイピング、つまりは、仮説→調査→実施→検証を、区レベルの職能団体でやると、絶対楽しいと思う。職能団体という組織体で実施したことから得た「手法」を各々が組織に戻り、サラリーマンとして創意工夫して、組織内アクションに活かせばいいのになあ、と。

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例えば、病院のMSWなら、医療依存度の高い方の在宅援助をしていれば、「このかたは、家に帰ったあと、ずっと家族がケアしなければならないのだろうな。この医療依存度では介護施設はレスパイトケアはできないだろう」と想像力が及んだ時、


「うちの病院で1年のうち、病棟が空きがちな時期のデータはあるだろうか、もし、そういった時期に医療依存度が高い人を数日ほど入院でケアできれば、組織としても病床稼働率というKPIをクリアでき、かつ、地域に存在する医療資源として果たすべき役割を遂行することで、地域の住民、関係機関からの信頼を得ることができ、中長期的な組織としてのメリットも得られ、なにより、必要としている人に医療資源を適切に配分できるかもしれない」


という思考プロセスが生まれたなら、実際に、在宅のケアマネージャーに、医療依存度別に、レスパイトケアを提供している地域資源を調査、病院でのレスパイトケアの必要性を確認し、あとは、病床稼働率の年間推移を医事課からもらい、そして話が通じそうな病棟の師長を抑え、レスパイト入院の主治医を誰と想定し(何科とし)、誰と一緒にどのように働きかけて医師の了承を得るか、という組織内の政治ゲームをクリアしながら、組織の中に「レスパイトケア」という組織の資源を最大限活かした、地域に提供できる新サービスをつくることもできるだろうな、と。


(ほかにも、地域包括支援センターとMSWが組んでの、入院バックベッドを有した組織協働アウトリーチとか、地域と共同で医療福祉教育(たとえば「延命治療の選択肢教室」)をひらいたり、など。




こういうプロセスを、ソーシャルワーカーたちが組織内で踏むことができるように(トレーニングさせる)するために、職能団体は、そういった場を「地域に資源をつくる」という過程でたくさん生み出していくべきだというふうに思うのです。(そして職能団体の会員が実行したソーシャルアクションをデータとして会員全体に参照できるようにしたりする)
考えように(やりよう)よっては、地域レベルの職能団体は、とてもおもしろいように思いました。雑文ですが、備忘録もかねて。

(リンク:
東京都医療ソフトーシャアップルワークーカー協会のブックマークロッブックマーク会活動のページです。)
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