ソーシャルワーカーとして成長し続けるために身に付けるべきたった1つのこと〜研修ジャンキーにならないために〜

公開日: 2014/07/12 CW MSW キャリアデザイン 教育 思索



本エントリでは、現場に居続ける”だけ”で、ソーシャルワーカーは成長し続けることができるのか?という問いについて、考えていきます。



1.経験年数を重ねるごとに自身にかかる負荷は小さくなる。


ソーシャルワーカーとして、経験年数をいくら積んでも仕事が楽にならないのは、自分の容量が拡張されればされるほど、その拡張分に格納したエネルギーを、クライエントに対し使用するからです。


援助者側が楽になるのは、エネルギーを「自分の楽」のために配分するか、クライエントに対し使用する量を増やすか否かの2択を迫られたときに、無意識に「自分の楽」のために配分してしまうときです。



これを繰り返すと仕事は「惰性化」し、どんどん自分は楽になるけれど、クライエントに投入するエネルギーは減っていきます。


ですので、常に自身に適度な負荷が常にかかっていないと、援助者としてはどんどん衰えていきます。ルーティンが増えれば増えるほど(これは別に悪いことではないのですが)負荷は小さくなります。ポジションもチャレンジングな仕事もないようなら尚更。


普通に働いてたら援助者はおそらく5年前後で成長曲線が下降する気がしています。
同じ組織で、ルーティンに埋もれて、楽を覚え、負荷は小さくなります。ルーティンの枠組みにクライエントをおさめて処理している自分に気づいたとき、それは退化のシグナルと同義です。




2.負荷が小さい状況下でも、経験から得るものを最大化することができれば成長し続けることができる


負荷が減るのは避けられませんが、経験から得るものを最大化する学習プロセスの方法を得ることで、小負荷からでも、得るものを多くすることができます。


「学習プロセス」の獲得ができないと、負荷はどんどん少なくなるのに、そこから得るものの総量も増やせず、結果、衰えていくのです。組織に慣れ、手持ちのルーティンの枠組みが増えると、「衰えている」ことに気づくことができにくくなります。なぜなら「楽」と「成長」を錯覚してしまうから、です。


学習プロセス=経験→気づく→気づきを学び化する→学び得たものを試す→経験。


この流れを生み出すことができないと、負荷が下がる5年目以降は、衰えの一途を辿ってしまうのだろう、と。


「衰え」を防ぐための荒技ソリューションは、職場を変えて、負荷を一気に大きくすること。もしくは、真面目に「経験から得るものを最大化するために学習プロセス」を獲得すること。この2つしか援助者としての退化に抗えないと考えています。


インプットとアウトプットのバランスのとれた「経験から得るものを最大化するために学習プロセス」を獲得することこそが、小負荷であっても、成長し続けるために必要なのです。



3.研修ジャンキーにならないために…


「じゃあ研修とか行けばいいじゃないか!」と言う人もいるでしょうが、研修はどうしても受動的な学びの場になりがちなので、いっときモチベーションをあげるには効果があるけれど、「モチベーション起爆剤」で終わってしまう人のほうが多いと思うのです。


一番大事なのは、モチベーションをあげた後、「研修で得た知識や技術をどうルーティンに組み込んでいくか」ということで、それを為すには、経験から得るものを最大化するための「学習プロセス」を体得することが必要なのです。


インプット(研修等)するだけで、出力するための方法やそのトレーニングを怠れば、インプットされたものは、廃れ、最大限活用することが難しくなります。


逆もまたしかり、そもそもインプットしていなければ、アウトプットはできません。ソーシャルワーカーとしての「実践経験」という価値あるインプットを、最大限活かすためには、アウトプット型の学びが必要になります。


学習プロセスの獲得もせずに、研修に行きまくるのは、「学びの回路を他者に刺激してほしい」という外部要素頼りの「学びのまやかし」でしかないわけで…。


研修受講後に、自分の口から「すごい勉強になった。ためになった」という言葉しか出てこないなら、それは単なる研修ジャンキーでしかないわけで、「研修から得るものを最大化するための学習プロセス」を身につけてから研修参加しないと、いつまで経っても研修に”刺激”を欲するだけで終わってしまうのです。


アウトプット型の学びは、日々の業務にも活きてきます。なんとなくやっている仕事を「意識化」することができなければ、やり方について考え、より良いやり方に変えたり、また、やり方について他者に伝えることできません。


加えて、「無意識の意識化(なんとなくからの脱却)→ルーティン化(決まりきった手続きや手順化)→再・無意識化(考えなくてもできるようになる)」という過程をつくる上でも、経験から成長の機会を得る上でも、振り返りのスキルを高める上でも、「書く」ことは有用です。


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小さな問いを毎日つくっていると、自分が問うたことの無い問いを差し向けてくれる人に出会うことが少なくなり、だからこそ、そういった問いをくれる人を大切にしたいと思うのです。



良質な問いは、思考の深度と射程距離を伸ばしてくれます。
だから、私は、「問いを創ること」も技術だと思っています。


問いは、思考の芯、みたいなもの。
問いが無ければ、思考はぶれる。
良質な問いはインナーマッスルのように思考を助ける。
問いと思考は常にセット。


そんなことを考えています。


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