ソーシャルワーカーとして長く現場で働くために必要なトレーニングについて考える

公開日: 2013/07/22 MSW SW解体新書制作委員会 キャリアデザイン コミュ論 思索



「自分の能力をクライエントに最大限に提供するためには、余裕が必要だ」という中間結論に至ってから、試行錯誤をしながら、今では繁忙期でもほぼノー残業で帰れるようになった。その理由を丁寧に振り返り、可視化する作業をしているのがここ最近。



ソーシャルワーカーとして長く現場で働くために必要なトレーニングとは「余裕を得る、余裕を生み出すトレーニング」に他ならない。



余裕というのは、1.時間的余裕、2.精神的余裕、3.能力的余裕の3つ。


1.時間的余裕は、ルーチンワークの見直し。
2.精神的余裕は、生活習慣の見直しとモチベーション管理。
3.能力的余裕は、実践の可視化(私の場合は書く、話す)


この3つを真剣にやったら、残業がなくなり、結果、クライエントに余裕をもって対峙できるようになった。


1.時間的余裕、2.精神的余裕、3.能力的余裕の3つのバランスが悪いと、全てに影響を及ぼす。身体が疲れていると、クライエントの機微を容易に見逃すし、精神的に参っていると、そもそもクライエントにエネルギーを向けられなくなる。そうなると、モチベーションも低下し、仕事の質に影響を及ぼす。


1.時間的余裕、2.精神的余裕、この2つがダメだと、3.能力的余裕はほとんど意味を成さなくなる。


そして、3つの余裕を欠いて現場に立つと、援助者側が得られる学びも少なくなる。それって非常につまらないしもったいないことだ。余裕をもって現場に臨まないと、クライエントにも援助者にもいいことなんぞひとつもない。

だから、”余裕を纏い現場に立つ”ことを大切にしたい。


援助者がいるフィールドは競争の場ではない。 
頑張れば結果がついてくる。あきらめなければ必ずいい結果が待っている。 そういう類いの場ではない。 援助者がいるフィールドは、他者が紡ぎ生きてきた場。 人生なのだから。
このことに気づけば、くだらない精神論なんて、簡単に捨てられるだろう。


先日記したエントリ:無自覚な「援助者は決してあきらめない論」が有する負の要素についての一考察 は、体育会系「あきらめるな!」精神論を、他者の人生というフィールドに持ち込む違和感について記したものだ。


余裕を持ち仕事に臨むことのできる環境づくり、身体と心づくりこそが、援助者として、クライエントに最大限のエネルギーと、知識と能力と技術を投入するために、考えるべきことだと思う。


だからこそ、余裕を持ち仕事に臨むことのできる環境づくり、身体と心づくりに、自分の思考エネルギーを投入する価値は多いにある。


そして、そこに投入したエネルギーと、結果として得た方法論は、援助者として長く現場で稼働していく上での大きな一助になるだろうと思っている。


職業的カラダは、トレーニングで鍛えられる。
ただやみくもに、突っ走っるだけでどうにかなる時間っていうのは、思った以上に短い。

だからこそ、職業的カラダをつくるために投資しよう。
問いを持ち、課題を設定し、そして、自分が余裕をもって仕事ができる環境を創り出そう。
それは、経験を重ねれば重ねる程、投資効果を実感できる。


さあ、まずは自分にとっての課題を設定しよう。
そして、課題に即した行動目標を決めよう。
課題と行動はセットでないと意味を持たない。
だから、行動しよう。その行動が、未来の援助者としての自分にとっての投資になるのだから。




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