突破する力(Books)

公開日: 2012/04/16 勝手にブックレビュー 読書記録

東京都副知事、作家である猪瀬直樹氏の「突破する力」を紹介します。

昨年、購入し、数回は読み返しただろう一冊です。仕事に向き合う姿勢についての信条がシンプルな言葉で込められており、自分の考え方を振り返ったり、新たなものを取り入れたりするにあたり、影響を受けた一冊です。

プロローグ 

みんなで群れて夢を語れば、そこにはなんとなく希望が存在しているように見える。しかし、それは幻にすぎず、一夜明ければ酔いとともに消えていく。希望は、バーカウンターなどにありはしない。ある種の孤独を抱え、徹底的に仕事と対峙した先に、ようやく見えてくるものなのだ。(中略) 
本気で仕事をしよう。
孤独を自分の友にしよう。
出来合いの希望を蹴り飛ばして、自分の手で希望をつくろう。
未来はその先につながっている。(P4-5)


この一節にシビれた方とは、きっと一緒に盛り上がれると思います。(笑 
自分と向き合う・対峙する、ということは、自分の中にある孤独と対話する作業なのだと思います。それにしても、言い回しが格好よくて、ズルいなーと。流石プロ。(笑


フリーのライターとして戦い、今は副知事として東京都という大組織で戦い、というマルチなキャリアから得られた言葉は非常に示唆に富んでいると思います。


敵が大勢のときはこっちの土俵に持ち込むのが鉄則。

相手の土俵で戦ってはダメということです。勝負は自分の土俵、つまり自分が得意とするところで仕掛けないといけません。(中略)「一点突破」と「一対一」これこそが、まさに僕が実践で体得した「小が大に勝つ戦術」の要諦です。(P86-87)

デキる人が徹底している小さなこと

会社で同僚と会ったとき、きちんと挨拶できているだろうか。あるいは机の上は整頓されているだろうか?そんなこと、仕事には関係ない。成果主義だから結果さえ残せばいいんだ、というのは大間違い。仕事の結果を左右するのは、じつは日頃の小さな言動や立ち居振る舞いにかかっているんです。(中略) 
見た目のいい派手な部分ばかりに気を取られて、足元の基本的なことをないがしろにしてはダメ。大きな結果が残せる人は、細かいところにもきちんと緊張感を持って取り組んでいます。 (P127-128)

 おカネがないなら、コレに投資するという発想が大切
自己投資したくてもお金がない?だったら、時間コストを払えばいいんです。投資は何もお金だけに限りません。時間という資源は見逃しがちですが、自分の時間を使って頭に汗をかくことも立派な投資なんですよ。(中略) 
もし時給1000円の人が本一冊読むのに3時間かかったとしたら、3000円+本代の自己投資をしていることになります。その投資を惜しんで、「いいアイデアが思い浮かばない」と嘆いても、どこからも救いはきませんよ。 


目先の大きなことばかりに捉われず、些細で小さいことを疎かにせずに徹底し、自分の能力で戦っていくための戦略を立てろ!そして、そのための、自己投資を惜しむな!

この一冊からはそんなメッセージがビシビシと伝わってきます。

そして、上記のサイクルを繰り返す中で、自分を支えてくれるものを形作り、モチベーションの源泉を得ていくのだろうと個人的には思っています。

新社会人の方にとっても、「仕事との向き合い方」を考える上でよい示唆を与えてくれる一冊だと思いますので、おススメしておきます。






【内容情報】(「BOOK」データベースより)
孤独を友として仕事と向き合った時間は、けっして自分を裏切らない。ギリギリまで自分を追い込めば仕事力が磨かれて、それが閉塞状況を打ち破る武器になるー道路公団民営化をはじめ、作家として、東京都の副知事として、さまざまな世間の“壁”を突き破ってきた著者が、自らの体験を踏まえて綴る、人生を面白くする本気の仕事&生き方論。

【目次】(「BOOK」データベースより)
1 壁を打ち破るには“頭”を使えー不安な時代を「図太く生きる」章(スペシャリストでもゼネラリストでもない生き方/“和を貴ぶ”先に待っているもの ほか)/
2 自分の最大の武器は、弱点の中にあるー「自分らしさ」を磨き込む章(自分の武器は“弱点”の中にある/将来不安のために“何に”投資すべきか ほか)/
3 成果につながる努力、無駄に終わる努力ー人生を面白くする「本気の仕事力」の章(“小よく大を制して”勝つ唯一の方法/出遅れたからこそチャンスがある ほか)/
4 10人の知人より、1人の信頼できる味方ー「本物の人間関係」を築く章(結果を残す人の、ある共通点/部下が使えないのか、部下を使えないのか ほか)/
5 いくら稼いだかなんて、二流の発想ー「人生」と「仕事」の究極の目的の章(ネットの“いかがわしさ”に未来あり/いくら稼いだかなんて、二流の発想 ほか)


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