雑感(2011.10)

公開日: 2011/10/20 MSW 思索

最近、今言葉にできないこと、しないほうがいいこと。そして、今言葉にしていた方がよいこと。その分別みたいなものが大分ゆるやかにできるようになってきた気がして、自分ではしっくりきています。


必死に言語に落とし込もうとするとどうしても「陳腐」になる事象はどんなフェイズでもある気がします。それを「今は無理だから置きっぱなしにしておこう」って考えられるゆるやかさは自分にとっては結構大事であって、「おきっぱなしにしておいて」もっと熟したところで美味しい果実が得られるんじゃね?っていう皮膚感覚みたいなものを大切にしたいなと常々思っています。



こんなことを言うとやれ「成熟拒否」だと言われてしまうそうですが、身体性、精神性、社会性における自己の「どうしようもない不全感」を「チャラにするためのカウンター」はやっぱり「根拠の無い自信」しかない気がするとともに、「どうしようもない不全感」の在処を「視界に入るか入らないかのギリギリのライン」に留めておくことは、自分にとってはとっても重要だなと感じています。


「どうしようもない不全感」の在処が、あんまり視界の中心まで入ってこられても、そもそも「どうしようもない」から対処に困るし、かといって視界の外に放り出す=見なかったことにする、なかったことにする、と同義なので、それもまた困る。そのあたりのバランスを「根拠の無い自信」で保っている感じがするのです。


「根拠の無い自信は、なんせ根拠が無いから言語化できないんだ」って言っておくことで「聖域化」しておくことは意味あること。


「どうしようもない不全感」を視界からフレームアウトしない程度に「適当に泳がせておく」という感覚は、おそらく自分という存在が「根拠のない自信」という羊水で満たされてるんだ、っていう感覚とワンセットなんだなと思っています。


そういったゆるやかな言葉たちとは少し外れますが、最近考えていることをいくつか。


・ソーシャルワーカーが自分たちの実践を言語に落とし込む際の「アウトライン」を引くことができないかと思案中です。「問い」と「論拠」をワンセットに、いくつか設問を作り、そのひとつひとつを言語化することで、「最低限の実践知の言語化」ができるテストツールの作成を考えてみたいな、と。


・最近、他業種から転職してMSWになりたいという方から相談メールをもらうことが多くなりました。主に就職活動についてなのですが、月並みのことしか答えられず申し訳ないなと思っています。そういう意味でバックアップシステムとして回答者を多数用意できるボランタリーなシステムとかがあるといいなーと思ったりもしています。ニーズはあると思うのですが、あとは現任者たちの価値観によるところが大きいのかなと思っています。


・私自身は、なんていうか、「この領域で成り上がる」のではなく、「この領域に足を踏み入れる、踏み入れようとする人の人数を増やす、間口を広げる」ということにコミットしたほうが、この仕事の未来にとって有益だなといつも思っています。


そういった意味で、ブログなどのソーシャルメディアで、この仕事のおもしろさを伝えていくことの意味、可能性をとても大きいものだと感じています。
たかが5年目の自分であっても、実践知を誰かの共有知にすべく、発信していけるのですから。そしてそこから生まれる交流にも感謝しています。


WEB世代ではない現任者の言葉はWEB上に上がってこないのが残念なところです…。本当に優秀な実践をされている方は、きちんと書籍でその実践知を共有してくださっているので、書籍を読めばいいのですが、もし対人援助トレーナーの奥川幸子氏がブログをはじめたら、ものすごいことになるんだろうなーと思ったりしています。そして期待しています(笑





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「ソーシャルワーク言語化のススメ」:メールマガジン刊行中です。
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