臨床とことば

公開日: 2015/06/30 思索 勝手にブックレビュー 読書記録



大学時代に出会った本で、よく同業者や学生さんにすすめる一冊に「臨床とことば」という本があります。臨床哲学が専門の鷲田清一氏と、臨床心理学専門の河合隼雄氏の対談集です。(文庫も出ていますが、個人的には単行本の装丁の方が好きです)



難解な表現がないので、学生時分でも最後まで読むことができたのですが、言い換えれば、無駄なセンテンスがなく、どのセンテンスからもその時々、滲み出てくるものが違う、純度の高い”ことば”たちが散りばめられている一冊です。(ごまかしがないというか、意味をもたない、音としてだけの言葉が非常に少ない、と感じます)


人とは?言葉とは?まさに、自分自身の人生の興味でもあるので、より一層、貪るように読んだ記憶があります。
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このお三方は、数少ない、ジャケ買い(笑)をする著者なのですが、私が考えるお三方の共通点は、以下のとおりです(偉そうw)

・各々の専門領域における既存の理論や横文字を使用せず、かつ個別のケースを「ああだこうだ」語らないという制約を自身の文章に課している(一般書においては)

・「他の誰かが言いそうなことはあえて書かない。自分”しか”書けないこと”だけ”を書く」という信念のようなものがあること。

・具体と抽象をうまく行き来し、読み手に「総論から各論」までを伝えることができること。


なかでも、・各々の専門領域における既存の理論や横文字を使用せず、かつ個別のケースを「ああだこうだ」語らないという制約を自身の文章に課す、ということは、『「自分という人間が絞り出した言葉」というのがどのようなものかを知る、つまりは、自分が「どうしても言葉にしたいこと」を知るヒントになる』ように思うのです。

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ソーシャルワークの専門書と並行して、人や言葉をテーマとして扱った本も併せて読むと、問いと思考の幅が広がると個人的には思うので、並行読書をおすすめしたいです。



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