小児医療におけるミクロ・メゾ・マクロソーシャルワークに触れて

公開日: 2015/06/26 MSW ソーシャルアクション


先日、某小児専門病院のソーシャルワーカーさんに話を伺いに行きました。(病院も見学!)その方とは、10年前、自分が学生時代にとあるところでお世話になり、先日ふとしたきっかけで再会しました。


その方が今の病院に来て6年の間に、個別のお子さんと家族に関わりながら、一つ一つのケースを決して無駄にせず、「チーム医療ってなに?」という組織状況の中、諸々、組織に働きかけ、様々なチームをつくり、新任の医師たちが来ては医師向け研修会をひらきソーシャルワーカーの使い所を知ってもらい、チーム全体で「生活支援」の視点を共有しながら、そして、院内でいろんなプロジェクトに関わり、今度は国レベルでの「相談員」研修を企画し、、、、という話を聞き、これぞ、ソーシャルワーク、だよなあと。


(個人、家族、組織、地域、社会に横串をさす支援、ミクロ、メゾ、マクロソーシャルワーク。個人の問題を解決・軽減するプロセスの中で、組織、地域、社会に働きかけ、変えていく。いろんな表現ができます。)
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でも、こういった「実践」は、業界全体で「取り上げられること」はほとんどないのはなぜだろうと考えると、ソーシャルワーク業界、医療ソーシャルワーク業界にとって「キャッチー」ではない、かつ、スキル化(つまりは研修化)しづらいというのが理由のように思います。(職能団体の研修一覧を見てみると、なにが流行りかがよくわかります)

先日紹介した、葛飾区のグループホーム空 床情報の事業所間共有・行政ホームページでの公開や、統合失調症の方への18年間の支援を4名の社会福祉士がバトンをつなぎ、住民をオーガナイズしながら援助を進めてきた話、や、この小児専門病院の方の実践の話は、誰かが「枠組み」と「目的」をもち、聞き掘り起こしていかないと、業界全体で共有されることはない。

学生の頃は、その方と、長い時間話をしたことがもちろんなかったのですが、クールな印象だった方が、熱くソーシャルワークを語ってくださる姿をみて、そしてそれに共感できた自分を感じ、嬉しく思うのでした。

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大学4年生でソーシャルワーカーになろうと決めたとき、小児医療の分野にソーシャルワーカーとしては関わることは難しいと考え、それはしないと心に決めていました。

それから8年が経ち、今度は、ソーシャルワーカーとしてではなく、小児病院のソーシャルワーカーさんたちに活用していただく「ひとつの資源」として、小児医療に自分のもっているものを還元させてもらえることになったので、そちらもしっかりやりたいな、と。


その方にいつかオフィシャルな場で話をしていただく快諾を得たので、どこかで、もっとたくさんのソーシャルワーカーの方に、この方の話を聞いていただく場をつくりたいと思っています。


「価値あるものを、どのようにすれば、もっと多くの人と共有できるか?」

上記は、私の頭の中にいつも浮かんでくる問いです。


私が雑文ながらも文章を書くのも、それが、「多くの人と共有する」ために、私ができる一番手っ取り早いことだからです。
(生理現象レベルで文章が書けますので。笑 これも10分くらいで書いてます)

そして、SCAという法人が生まれたことで、より多くの人と共有することができる”場”が社会に生まれたことは、個人的な問いへのひとつの解にもなっているのだと、思っています。(法人と個人は当然違えども。)

「病気の性質上、生きることができなかった子どもさんにもたくさん出会ってきた。だからこそ、その子・ご家族たちの声を無駄にはしたくない」


Sさんから頂いた言葉です。
Sさん、たくさんの気づきをありがとうございました!


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