他職種・他機関とスムーズに連携・恊働するために気をつけるべき3つのこと

公開日: 2014/06/12 MSW コミュ論 チームアプローチ 教育 思索


チーム医療、チームアプローチと言われて久しい昨今、対人援助職の多くは、複数の専門職によるチームで仕事をすることがほとんどだと思います。

本エントリでは「他職種・他機関とスムーズに連携・恊働するために気をつけるべき3つのこと」と題し、複数の専門職によるチームで仕事をする際に、最低限押さえておきたい基本的な心がけ・考え方についてお伝えしていきます。

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1.相手の過去の仕事への敬意を表明する



私は入職した頃、社会資源リストをエクセルでつくっていました。
機関名と、一緒に仕事をしたことがある人の名前、備考には過去に一緒に仕事をしたケースの概要を一言で入力していました。



「担当の○○さんと過去にどのケースでどういう仕事をしたか」ことが記録に残っていると、担当者の人と一緒に仕事をするのは久しぶりでも、「○○さんのケースでは△△して頂いて、ありがとうございました」という過去の仕事への感謝から入ることができます。



「相手の行動にフォーカスして感謝を述べる」



自分の言動によって他者にいい影響が生まれ、それに対して感謝されるということに悪い気がする人はいません。



共に仕事をしはじめる際、「過去の仕事への感謝から入る」ことで、スムーズなスタートを切ることができます。(特に、めんどうくさい仕事をお願いする際には、過去の仕事への感謝からはじめることは、より効果を生みやすくなるように感じます)


「担当の○○さんと過去にどのケースでどういう仕事をしたか」という備考メモはとっても有用で、恊働のためのコミュニケーション・ストレッチにおいて抜群の効果を発揮してくれると思います。



これに類似して、「相手へのプラスの感情表出は、意図的に行う」ことも有用です。


○○さんの件、本当に△さんのあの一言に助けられました。etc


素直に、他者の仕事に対して感じた感謝は、
リアルタイムで素直に表現しておいて損はありません。


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2.「論理と感情」の2軸による連携アプローチを上手く使い分ける



他機関・他職種に対し採用する「連携アプローチ」は、働きかける側が、「他機関・他職種に対し、どのような役割を期待するか」ということにより異なります。


その上で、「連携アプローチ」を他機関・他職種に対し、期待する役割 Ⅰ〜Ⅲ を明確にした上で行う 1.論理的アプローチ 2.感情的アプローチ、の両者を組み合わせた働きかけ」と定義できると私は結論付けています。





Ⅰ.当該機関・担当者の明確な役割となっているもの Ⅱ.担当者の力量・モチベーション等で拡張されるもの Ⅲ.担当者が職権等により所属機関内に働きかけ、拡張されるもの

その上で、「期待する役割」に対し採用可能な「連携アプローチ」について、以下 の通り分類しました。



・論理的アプローチ:「なぜ、あなた(機関・職種)なのか?」
(あなたが、あなたが属す機関、職種でしか為し得ない役割を欲している)

→論理的な思考展開によって詰められたロジカルなアプローチ



・感情的アプローチ:「なぜ、あなた【で!】なければならないのか?」
(あなたの、スキル、キャラクター、モチベーションを欲している」

→「あなたでなければならない」という感情に訴えかけるエモーショナルなアプローチ




「相手にしてほしいこと」を為してもらうためには、論理と感情に上手く訴えかけることが大切です。ですので、上記2軸のアプローチを上手く織り交ぜながらアプローチを為すことをぜひ試してみてください。


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3.約束を守る。



何を当たり前のことを!と思われる方もいらっしゃると思うのですが、相手の前で「宣言したこと」を守り、きちんと実行すること。報告連絡をしっかり行い、協働している「プラン」の中ですすんでいる物事を共有すること。これらの積み重ねは、"相手からの信用・信頼”という、「連携・恊働」する上での何事にも代え難いものを生み出すことに繋がります。



「信用・信頼」が無いと、相手は真摯に向き合ってくれないですし、耳も貸してはくれないでしょう。


相手の前で宣言した約束は、必ず守る。
守ることが難しい場合は、その理由をきちんと伝える。


こういった当たり前のことが、欠けていると、
うまく行くこともうまくいかなかったりします。



わかっているようで、意外と蔑ろにしている人が多い気がするので、自戒も込めて。


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私はいつも、現場で余計なコンフリクトが生じるリスクをどれだけ減らすことができるかということを考えます。コンフリクトが多く生じやすいコミュニケーションにおいては、発生前の下準備をしたたかにします。


コンフリクトを生じさせてしまうと火消しやらなんやら、無駄な「しなくてもよかった仕事」が増えます。下準備のない(つまりは、コミュニケーションにより、相手にどうしてほしいか、というゴール設定のない)コミュニケーションの果てに、徒労と無駄な仕事が生じるなんて、くだらなさすぎます。


何事も、準備と想定し得る事態への想像力を働かせることが大切だと日々思います。


準備は、スポーツでいうところのウォーミングアップです。
ウォーミングアップを怠ると怪我をしたり、いいパフォーマンスが発揮できなかったりします。


それは、対人援助の仕事にも言えることだと私は思っています



【コミュニケーション・恊働についてのおススメ書籍】






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