他領域の手法・考え方の枠組みをソーシャルワークに活かすための「翻訳機能」について考える
公開日: 2013/08/23 MSW SW解体新書制作委員会 思索 問いから言語化に至るプロセス
先週末は、お誘いいただき、まちづくりのプロたちの勉強会に参加した。
まちづくりの”プロ論”を実地と理論を行き来しながら、聞くことが
自分のプロジェクトにおけるヒントも多く得られた有意
「外からソーシャルワーク領域を眺める」をずっと試行し続ける中で出会った人たちから、
学び、そして、言葉を交わす中で、考えたことがある。
それは、『他分野・他領域における手法や考え方の枠組みなどを、自分のアプローチすべきもの(領域)に活かすには、ある種の「翻訳機能」が必要になる』ということだ。
本エントリでは、『他領域の手法・考え方の枠組みをソーシャルワークに活かすための「翻訳機能」について考える』と題し、述べていきたい。
翻訳機能(他領域の手法・考え方の枠組みを自領域に活かすことのできる機能)=翻訳基礎能力(一般化能力)+他領域の知識
と言い換えられるように思う。
翻訳基礎能力(一般化能力)とは、
一般化すること=「個別事案を並べて、均す」能力、のこと。
比喩的表現を用いて言えば、「凹凸のあるものを均す(ならす)」ことのできる力。
その領域の特殊性や特異性(凹凸過ぎるところ)は、自領域への応用が難しい。だから可能な限り一般化することを試み、「均し、得られたもの=翻訳されたもの」を、自領域に活かそうとする。
「翻訳基礎能力(一般化能力)」が無いと、自領域の事案に対して、他分野・他領域の手法・考え方の枠組みが、どう活かせるかという思考を展開するのは難しいように思う。翻訳できない=言語の意味がわからないのだから、展開のしようもない。
であるからこそ、日々、様々なことの一般化を試みることが、
「翻訳基礎能力(一般化能力)」を鍛えるトレーニングの一助になる。
一般化すること=「個別事案を並べて、均す」
なので、個別事案3個、5個、10個、と、均す個別事案の数が多ければ多い程、
一般化のハードルは高くなるが、トレーニングとしての負荷は強くなる。
これは、ソーシャルワークにも用いることのできる考え方でもある。
個別のケースにおける様々なものを、「均していく」過程において、新しい考え方の枠組みや、判断の指標等を得ることができた、という経験は多くの援助者が感じたことがあるのではないかと思う。
要は、そういった「均す」過程を、機会を、
意図してつくりだすかどうかなのだと感じる。
私の場合は、ソーシャルワークに関する文章を書くということが、(個別のケースについて書くことはできないため、結果として)、複数の個別ケースを「均す」過程と機会をつくりだすことになっているのだと、思っている。
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2ヶ月に1回、ソーシャルワークを語る会を開催しています。