雑感)ソーシャルワーカーにとっての「臨戦態勢モード」について考える

公開日: 2012/12/26 MSW 思索

ソーシャルワーカーにとっての「臨戦態勢」は、どんな状況であったとしても、投入可能なエネルギーの全てをクライエントに向ける準備を「即座」に整えられるか、というところなんだと思う。


並行して処理せねばならない事柄を抱えていても、クライエントからソーシャルワーカーにアプローチがあった際に、「即座」に事柄たちの優先順位を組み替え、投入するエネルギーの出力を変え、最大出力量をクライエントに向けられるかどうか、というのは訓練しかないような気もする。


クライエントに対して常に「開いた」スタンスで対峙・出会えるかというのは、簡単なようで難しい。忙しい・時間がない等の些細なことが、エネルギーの出力変換を阻害し、「閉じた」スタンスでクライエントを出会ったとしたら、それは「あなたをみていません」というメタ・メッセージを向けることになる。


スキルに過剰に傾倒せずとも、いいロールモデルを見つけ、自身の専門職としての姿勢を突き詰めて考えることで、踏み入れることのできる境地が誰にでもある。


相手は「人」
観測したりする対象物ではなく「人」


人と環境を分析しようなどという専門家バカな頭で入ると、
大事なことを容易に脇に置き忘れてしまう。



自分のエネルギー出力値の100を最大値とする。
今自分がどれくらいのエネルギー量でクライエントに出会ってるだろうか?
なぜ、今、その量なんだろう?

今の自分のクライエントの向けられるエネルギーの体感値をつけてみる。
そして、その理由もあわせて考えてみる。余裕があれば、1週間、それを行い、メモ程度に残しておくと、振り返りのよい材料になる。それを続けると、自分のエネルギー出力阻害要因の傾向みたいなものがみえるのではと思う。



やれ、アセスメントだとかドヤ顔で言う前にやらなければいけないことがたくさんあるはず。というか、その「たくさん」を超えてきた先に、おそらく、実智に基づいた「アセスメント」の言語化が可能になるんじゃないかな、って思うのだけど。


教科書に出て来るような定義語は「参照可能な物差し」として有しておくべきなんだと思う。これもとても大切なことだ。


けれども、まずは、クライエントを捉える枠組みについて、自分がどのようなものをもっていて、それがどのような態度や姿勢の上に立っているのか、という、簡単なことをきちんと言葉にしようと試みなきゃ。


こういった作業は、ある日突然できるようにはならない。
自分で振り返りの意識を持ち、かつ、その振り返りをサポートしてくれる上司やスーパーバイザーあってこそ成り立つ。


けれど、もし、そういった環境がないのであれば、せめて「書き残しておく」ことを薦めたい。


書いて残しておくことは、未来の自分への ギフトでもある。
「あの頃こう考えていたのか。こういうことに迷っていたのか、悩んでいたのか」
ということは、思い出そうとしても思い出せない。
記憶は書き換えられ、現在の自分のいいように引き出されるから、書き残しておくことが、一番正確だ。


未来の自分への「振り返りの材料」というギフトを「今を書き残しておくこと」で贈る。
個人的には、今すぐ、今日からでも書くことをすすめたい。




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