援助者自身を安心させるための質問とは?
対人援助職の「聴く」ということについて考えるとき、私は「深呼吸」や「海の底に潜るイメージ」を思い浮かべることがあります。そのイメージの中で、援助者がする「質問」が、「対象となる人の問題を共有しようとするための質問」か、それとも、「援助者自身を安心させるための息継ぎするための質問」か、ということの見極めと自覚が必要だとも思っています。
例えば、インテーク(初回)面接で、対象となる人の言葉を、遮らず聴き続ける(潜り続ける)ことは、非常に体力がいる。そして、想像力がいります。
というのは、聴く側は、相手がどこまで潜り続けるのかわからない中で、目にする景色がどう変わっていくかを記憶しながら、どこを目指していくのかということを想像しなくてはならないからです。
これは結構、しんどいし、不安になります。
それに耐えきれなくなり、「援助者自身を安心させるために息継ぎするための質問」をしてしまうと、相手が自分の深度を下げる行為(語り)は強制ストップされてしまうのです。
質問は否応にも相手の語り(思考)の深度を一旦ストップします。
ひとつ言えるのは、相手が息継ぎするのと同時に、質問を挟むといいのでは、ということ。 これは、特にインテーク(初回)面接に言えることだと思うのです。
相手が自分の深度を下げる行為(語り)を妨げず、共に深度を下げていくには、深呼吸をするイメージで面接に臨むといいような気がします。
わたしは、面接の導入部分に「深呼吸をして潜る」というイメージをすることがあります。そうすることで、慌ただしい気持ちで面接へ入ることを極力避けることができるような感じがするのです。(あくまで、感じが、ですが。笑)
そして、相手の話を聴く中で、相手の息継ぎのペースを見極めていく。 これは、リズムとかテンポとか、そういう身体が感じるものでもあるように思うのです。面接は「アタマとカラダ」を活用するもの。そんなイメージを最近はしています。
イメージは仕事にいい意味でも悪い意味でも影響を与えるものです。
自身の実践にプラスの影響を付加できるイメージの持ち方について考えてみる。
そんなことをふとしたときに実行してみることを個人的にはおすすめします。
【こちらもどうぞ】
Blogエントリ目次:当Blogのエントリをカテゴリ別にまとめました。
「ソーシャルワーク言語化のススメ」:メールマガジン刊行中です。
Social Workers Books Store:ソーシャルワークに関する書籍をあつめました。