Books)『社会的包摂の政治学: 自立と承認をめぐる政治対抗』 宮本 太郎 (著)

公開日: 2015/08/28 勝手にブックレビュー 読書記録

本年4月に施行された生活困窮者自立支援法について、その成立の背景を理解したいと思い手に取りました。
今後の社会福祉政策を俯瞰的に捉えるためには、戦後の社会福祉と資本主義の関係、そしてその後、新自由主義の流れの中で、世界各地の政策イシューとなった、社会的包摂についての理解が欠かせないと私は考えています。
ソーシャルワーカーが、ミクロからマクロへの実践を為すことを考えた時、例えば、国がとる社会包摂の制度体系を、最低限知っている必要があります。


ワークフェア型の包摂か、アクティベーション型の包摂か、社会的包摂が雇用を重要な包摂の場として位置付ける時、社会包摂をうたう一方、雇用創出自体を政策課題とせず、規制緩和や減税などによる雇用拡大にとどまる時、それは「就労機会なき就労支援」という矛盾を生み出す。新自由主義的な包摂戦略はこのような形をとることが多いと、本書では述べてます。

少し値が張りますが、オススメの一冊です。

本書内でソーシャルワークの言葉は出てきませんが、「現場に出て以降こそ、社会に関するあらゆることを勉強し続けることを課される仕事なんですよ」と、メッセージを受けながら読まざるを得ない一冊でした。


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