社会福祉士会などの職能団体が会員を増やすために本質的に必要なこと

公開日: 2015/02/03 教育 思索


社会福祉系の職能団体は、特定の社会問題に焦点をあて、解決を目指すというアクションを取るわけでもない(今のところ)、言わば、総合的にソーシャルワーカーを支援する、つまりは、中間支援組織形態をとる。

このような組織形態である職能団体が、多くの人に応援してもらう(会員を獲得する)には、”理念と目指すべき未来(ビジョン)を軸にしたストーリー”を、より多くのソーシャルワーカーたちの共感を得るカタチで紡いでいく必要があると考える。



つまりは、”理念と目指すべき未来(ビジョン)を軸にしたストーリー”が、多くのソーシャルワーカーにとって…

どれだけ共有可能な切片が多く用意されているか(つまりは自分事化できるかどうか)、メインストーリーが、最大公約数的ストーリーを内包しているか。



そして、その上でソーシャルワーカーたちが、
「このストーリーの登場人物になりたい、このストーリーの結末を見てみたい」
と思えるかどうか。これに尽きるように思う。



キャッチーなものや先鋭的なもので、一部の人を惹き付けたりすることはそこまで難しいことではないけれど、それが10万の単位になったとき、

「自分も含めたソーシャルワーカーへの深い洞察(インサイト)を必死で得ようとしていきたかということと、どういった歴史の系譜の上に理念と目指すべき未来(ビジョン)を位置づけた上で事業を行ってきたか」ということが、見られ、試されるという段階が必ずやってくる。

おそらく、現存する職能団体は、組織として時間が経ち、成熟し、上記の時期に達しているように感じる。


現に、日本社会福祉士会は、1年間の会員増加数が1000人(約800名)を切った。
(参照:日本社会福祉士会の加入率からみる社会福祉業界の”福祉政策を決定する政策過程に介入する力”の脆弱さについて

短期的に「会員数」のみを増やすのであれば会費を2000円くらいに下げるなどが一番効果がありそうだが、となれば、現存の組織形態を維持できなくなるだろうから、これもまた現実的ではない。

残念ながら、今のストーリーを継続していては、会員数は増えないだろう。



組織自体が多くのことを学び続け、仲間を増やし続け、持続可能な組織となること。
そして、組織自体が、大きな跳躍のための小さいジャンプを繰り出しながら(なにが、だれにとっての価値をどのように生み出せるかという試行)、”理念と目指すべき未来(ビジョン)を軸にしたストーリー”を紡ぎ出せるかどうかの先に、業界全体としてソーシャルアクションを起こしていくというストーリーは当然連結すると考えている。


先は長い。


*マーケティングの初心者にも理解できて、かつ実践的。
昨年読んだマーケティング関係の本で一番よかったのでお勧めします。
(職能団体の広報担当の方にも激オススメです)


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