自分への申し送りリスト作成のススメ〜新人ソーシャルワーカーのみなさんへ〜

公開日: 2014/06/21 CW MSW キャリアデザイン 思索 問いから言語化に至るプロセス


当ブログをはじめて7年。

その間、私はソーシャルワーク実践の言語化、主に書くことについての大切さをお伝えしつづけてきました。

出版予定の書籍では、ソーシャルワーカーとしての気づく・書くという技術について書かせて頂く予定で、実践的な「書く」トレーニングを盛り込む予定にしています。
改めて準備をし「書く」というトレーニングの他にも、業務の中にある「書く」を最大限活かす方法などについても盛り込ませていただく予定です。

私の例をお話ししますと、私は「各担当ケースについての自分への申し送りリスト」をエクセルで作成し、(部署内共有LANで共有し、他のソーシャルワーカーのPCからも閲覧可能)毎日終業間際に記入して帰っています。


本エントリでは、「現場でできる書くトレーニング」のひとつとして私が行っている「自分への申し送りリスト」について、お伝えさせていただこうと思います。



1.自分への申し送りリストの書き方

例えば、以下のような感じです。


・担当のクライエントの方の名前

・時系列で行った行動、次に行うべき行動
・日付は「申し送りリストを書いた次の日の日付にする」(終業間際に書いているので)


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山田太郎 様

4/12 妻と面接:今後は回復期リハビリテーション病院へ転院方向。自宅近くの3病院を希望、先方へ打診する予定。経済的心配+。市に確認、低所得区分Ⅱに該当。妻が限度額適応認定証の申請に行く。

4/13 希望されている3病院に打診済。どこも期限内に受け入れ可。正式な返答が戻り次第、ご本人、妻へ再度面接し説明予定。

4/16 3病院から返事が揃う。A,B病院は受け入れ可。妻夕方来院時、本人と妻に説明する予定。その際、妻に限度額適応認定証の手続きが済んだか確認する。



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2.自分への申し送りリスト作成のメリット


・Todoを整理し、自分の業務量の把握ができる。 ・書き、行動レベルの業務量を可視化するため、業務効率をあげることを助ける。

・副次的な効果として、自分が不在であっても部署内のメンバー全員が、他の担当者のケース把握ができ、最低限の対応が可能になる。



3.援助記録とは別に自分申し送りリストを書く意味


援助記録以外のものを毎日書くなんて…
そんな時間はないし、面倒くさいと思われるかもしれません。


そもそも援助記録はクライエントヘの援助の過程に欠かせない必須なものです。
援助記録を書くことをせずに、アセスメント(見立て)を行うことは、かなりの職業的熟達が求められますので、初任者から中堅どころに入られるまでは、必ず援助記録を書く必要があるでしょう。

私はSOAP形式での記録をおススメしています。なぜなら記録を書くこと自体がアセスメントを為す訓練になるからです。
(過去エントリ:ソーシャルワーカーが援助記録を書くことの意義について考える


いっぽう、「各担当ケースについて、自分への申し送りリスト」は、慣れれば1ケース10秒ほどで完了します。

なぜなら、行動に焦点を当て、基本的には、「今日の行動→明日以降の行動」しか書かないからです。ケース記録ではなく、「自分への申し送り」なので、簡潔に取った行動を次に取る行動に絞って書くとよいです。



「自分申し送りリスト」は行動レベルにだけ着目するので、これを毎日やっていると、ケースの全体像を捉える力、自身のひとつの行動にかかる時間の見極めもできるようになります。


業務量とそれに伴う時間のイメージが出来ると、現状、どれくらいのフリーな時間があるのか、どの仕事にどれくらいの時間をかけられるのかということが勘案できるようになってきます。



本年エントリでは、現場で今すぐはじめられる「書くトレーニング」についてお伝えしました。慣れれば、時間はさほどかかりませんので、ぜひやってみてください。




【ビジネス書の日報や段取り等を扱った書籍等もお薦めです。】





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