社会福祉系の専門・大学生が医療ソーシャルワーカーとして急性期病院に就職すべき3つの理由

公開日: 2014/02/10 MSW 教育 思索 就職活動



最近、方々から、医療ソーシャルワーカーは学生に人気がないと聞きます。
理由は「大変そうだから」とのこと。同じ仕事をしている身としては結構ショックですね。

日本医療社会福祉協会も医療機関50床に1人の医療ソーシャルワーカーの設置を厚生労働省に要望していると言います。ですが、もしそうなった未来に、なり手がいないのでは話になりません。

ということで、医療ソーシャルワーカーの仕事を学生さんたちに激押しする目的で、「社会福祉系の専門・大学生が医療ソーシャルワーカーとして急性期病院に就職すべき3つの理由」と題し、お伝えしていきます!!

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キーワードは、「実践能力」、「知識」、「未来の働き方」この3つです。


今後、学生さんが、どのようなキャリアを積み上げていくにしても、そのスタートを急性期医療機関のソーシャルワーカーとしてスタートすることは、個人的にとてもおススメです。以下、その理由を3つお伝えします。



1.問題整理・解決能力、チームプレー力を磨くことが出来る(実践能力)


急性期の医療機関において、クライエントと関わることのできる時間はとても短いです。

限られた時間の中で、クライエントに病気や怪我によって生じた「生活上の困りごと」を、一緒に整理し、その各々について、誰が、どのように対処するか等を、クライエント、各々の社会資源の担当者たちと、共通認識を得て、行動に移していく、ということは、論理ベースで物事を考えることができる力が非常に必要になります。


急性期病院のソーシャルワーカーは、短期間で、上記を反復トレーニングさせられます。当然、問題整理・解決能力は鍛えられていき、それは、医療機関に限らず、多くの現場で適応可能な能力となります。



そして、チームプレー力。

医療機関は、別名「専門職集団組織」と言っても過言ではありません。
そして、医療職が組織のほとんどのポジションを占めていますので、各専門職の職業的価値観やバックボーンを理解しながら、良好な関係を築き、クライエントに対し、チームとして関わる体制を築くこと自体が、チームを構築するために必要なイロハを学ぶことができます。(あ、どういうことが学べるかをブログエントリに書いてみたらよさそうですね。今後別エントリで記します!)


「誰か(各専門職)にサポートしてもらうように依頼する」という行動自体も、各職種の専門性等を勘案しないと、うまく伝わることも伝わらなかったりします。

ですから、急性期の医療機関で、それなりに稼働できるようになると、上記が必然的に身に付きます。いいえ、身に付かないと長く働くことが難しいと言っても言い過ぎではないと思います。



2.医療と介護の知識が共に身に付く

例えば、対象になる方の身体状況が、「現在、要介護状態にある」ということは、過去にそれを引き起こしたきっかけがあるはずです。そしてそれは多くの場合、加齢や疾病によるものです。


ですから、疾病についての知識を有していることで、援助者として、今目の前にいるクライエントの方の状況が、既往等から推測して、どのような時間を経て、このような状況になったか、という推測が立つようになります。


これは、クライエントの「過去、現在、未来」という時間軸を共有させてもらう上で、実は非常に大切なことです。というか、これが抜けていると見立て(アセスメント)もクソもなくなります。


急性期の医療機関は、医療状況と介護状況が、疾病により変化が生じる可能性がとても高い場所です。ですから、必然的に、医療と介護に関する知識は蓄積されていきます。


将来、ケアマネージャーとして働きたい方などは、医療機関のソーシャルワーカーとしての勤務経験は、他のケアマネージャーの方との「差別化」要因になり得ると思います。


医療ソーシャルワーカーとしてのキャリア×介護支援専門員
=医療の知識、医療現場の各職種の論理を熟知しているケアマネージャー(介護保険・ケアマネジメントのプロ)


ってもの凄いレアですし、重宝されます。まさにキャリアの「かけ算」思考ですね。



3.間欠泉的キャリアを選択することが容易になる(未来の働き方)

間欠泉的キャリアってたぶん、聞いたことがある方は少ないと思うのですが、
ネット上で多大な影響力を持つブロガー”ちきちん”さんのエントリに「間欠泉的キャリアの薦め(2012-03-21)」というものがあります。以下を読んでいただければ意味がわかると思います。

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10日間ほどセブ島の英語学校に滞在していました。日本から来ている生徒さんは、春休み中の大学生と、30代、40代の社会人が半々程度。 
そのうち社会人の方と話していて「なるほど!」と思ったのは、その多くが転職の合間の留学であり、かつ、次の仕事を見つけることにほとんど不安のない人たちだと気づいた時でした。 
今の日本で、退職して語学留学するなどインターバルをあけても再就職に困らないのは、どんな職業でしょう? 
ひとつは、医療・介護系です。看護士や薬剤師はもちろん、介護士、保健士、医療関係の技師、理学療法士、言語聴覚士などのリハビリエキスパート。この分野は圧倒的な需給ギャップがあり、どこもかしこも常に求人がかかっています。 
なので、いったん会社を辞めてブランクをつくっても、次の仕事には困らない。海外に英語を勉強しにいったり、旅行をしたり、リフレッシュしてから次の仕事に転職する、ということが可能になるのです。
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医療ソーシャルワーカーも同様に「間欠泉的キャリア」を築くことが可能です。

ご結婚されていて、子どもも数人居て、という状況下では流石に大変かもしれませんが、多くを望まなければ、キャリアの途中で、ちょっと”キャリアの休み時間”をつくり、別の業界のことを勉強したり、いっとき、新たなチャレンジをしてみたり、そういったことが可能になります。あ、いっとき子育てに専念するというキャリアもあり得ますね!


先にもお伝えしましたが、現在、医療ソーシャルワーカーの求人(需要)は多いです。
それに対して、なり手(供給)が少ない状況が続いています。


この状況は、今後しばらく変わらない、いや、加速するように思います。


ですから、今、この時代、このタイミングで、福祉系の学生さんたちが、急性期医療機関のソーシャルワーカーとしてキャリアをスタートさせることは、援助者としての市場価値(この言い方、好きではないのですが。敢えて。)を高める上でも、未来の働き方のバリエーションを増やす上でも、私はおススメだと思っています。


なぜ、おススメかということは、今後数年の、私(HY)自身が、どのようなキャリアを展開していくかを追っていただければ、その理由がきっとわかると思います。



若いうちに職業的負荷の高い筋トレをして、自分の市場価値を高める気概のある人は、ぜひ、急性期病院の医療ソーシャルワーカーとしての就職をおすすめします!!激押しです!!


と、数年前に出身大学に授業をしにいった際に話を聞きにきてくれた学生さん4名全員が、病院のソーシャルワーカーになったと聞き、嬉しく思う今日この頃です。




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