経済的な相談を受ける際のポイント簡易まとめ(医療費編)
Social Change Agency 2014年初イベントを開催します。
ぜひ、ご参加ください!
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現場1年目の頃に作成しました、
『「経済的相談(主に医療費)」を受ける際の、押さえておきべき事項について』
せっかくなので、ブログにも載せます。1年目の病院勤務のソーシャルワーカーの方にとっては、それなりに有用かと思いますので、よろしければご活用ください。
*間違っている箇所や追加した方がいいことなどありましたら、ご一報ください。
(今後、関連リンク等、きちんとまとめます)
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【入院をしたときにかかる費用】
病院に入院した際にかかる入院費の内訳は以下のようになっている。
1.保険の適応されるもの
2.保険の適応されないもの
3.入院時の食事代(食事療養費)
4.個室代(差額ベッド代)
1.保険の適応されるものについて
上記については、年齢と前年度の課税所得により、月額の「自己負担限度額」が定められている。(これは加入している保険に関わらず日本全国一律。)
自己負担限度額を超えた場合、申請をして認められると超えた分が戻ってくる「高額療養費制度」がある。高額療養費の計算方法は世帯によって異なる。
【高額療養費の計算方法】
1.70歳未満の人と70歳以上の人(後期高齢者医療対象者を除く)では計算方法や自己負担限度額が異なる。
2.申請は、診療月の翌月1日から起算して2年間で時効になる。(ただし診療費の一部負担金を支払った日が、診療月の翌月以降の場合は、一部負担金を支払った日の翌日から起算して2年間で持効となる。)
3.入院時の食事代や差額ベッド代等、医療保険の適応されないものは、高額療養費から除く。
Ⅰ,保険証の確認
まずは保険証があるか(健康保険に加入しているか)を確認。
保険証があっても…
・保険料を納めていない→保険料を遡って支払うことによりペナルティを回避できるか否か→市区町村によって対応違う。
・住民税の申告をしていなければ…→上位所得者になってしまう。
・一時的に報酬の平均月額に大きな変化があったとき→一般から上位所得者になることもあるので要確認。→健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額変更届を提出する。
・住民票が削除されているときは…?
・会社に勤めていても保険に加入しているとは限らない。
・日雇い労働者については保険料を納めているかを確認する。
Ⅱ,医療費相談における制度利用の考え方
保険医療>高額療養費制度)>公費負担医療
①その方の疾患・状態が「公費負担医療」のいずれかに該当するかどうかを確認する。
②公費負担にならない場合、高額療養費制度の利用(70歳未満…限度額適用認定証)
③所得によっては、「限度額適用・標準負担額減額認定証」の申請を。
→課税所得に応じて一部負担金、食事代が減額になる。(療養病棟の食事代・居住費においても適応)
④上記以外の分が、保険診療分となる。
⑤一部負担金免除(*条件有り。健康保険の窓口に問い合わせ)の選択肢も。
*保険料を滞納している場合は、限度額適応認定証の交付が受けられないことがある。
医療費が払えないだけでなく、
生活していくうえで必要なお金にも困っている場合もある。
①医療費 ②生活の基盤
この2つは切っても切り離せない問題。
医療の保障…そして生活の保障という視点はワンセット。
Ⅲ,生活費に関する制度
・ 傷病手当金(健康保険のみ。国民健康保険では行っていない。)
→傷病手当金は、連続して休業した4日目からの支給。標準報酬日額の2/3が支給される。受給した年月ではなく、受給した日から1年6ヶ月が経つと終わってしまう。
・健康保険組合の「付加給付」★意外と見落としがち。
→大企業や特定の健保組合などでは、療養の給付(例:自己負担が何千円+傷病手当金も多く出る場合等)がある場合も。健保組合に付加給付があるか問い合わせてみる必要あり。
・傷病手当(雇用保険)…ハローワークでの認定が必要。
(雇用保険での傷病手当は、職を探すことのできる状態ではないという認定が必要。)
・障害年金(初診日から1年6ヶ月後経った後に申請可能。受給条件有)
・最後の砦…生活保護の申請。各市区町村の生活保護の相談窓口。
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