時間的・精神的な余裕を生み出す努力

公開日: 2011/09/03 MSW

「忙しい!時間がない!」
「記録が溜まってる!ああ今日も残業だ…」
「ああ!今日も予定面接が○件も入ってる…」

新人の頃、いつも心の中でそう呟いていました。



思ったより面接が長引き、次の面接の時間が押し迫っている。
面接中に今日中にしなければならない電話、調整が気になってしまう。
面接中に院内PHSが鳴って、他職種から緊急の調整依頼が入る。
地域の他機関から、飛び込み相談が入る。

「救急入院の患者さんが無保険だ!介入してくれ!!」

「救急で来た患者さん、とりあえず入院の必要はないけれど、ホームレスらしいから帰るところないぞ!介入して!」

「救急で来た患者さんが精神症状がひどくて対応できない!早急に精神科病院への転院を調整してくれ!!」

「入院の必要性のある患者さんが認知症で入院せずに帰ると言ってる!どうにかして!」


同業者の方なら「うんうん」と首を縦に振ってくださるのではないでしょうか…笑
とにっかく、自分の思った通りのスケジュールで動けないのが病院のソーシャルワーカーの仕事です。

ですが、時間を気にしたり、他のことに頭の要領を取られたりすると、目の前の患者さん家族に向けることのできるエネルギーはどんどん削がれていきます。そうならないために自己覚知が大事なんだと個人的には考えています。(参照:自己覚知における個人的見解

イレギュラーの仕事が舞い込むのは仕事の性質上仕方のないこと。
だから、せめて、予定されている仕事を、どうコントロールするか、ということを考えて仕事をすることが大切だと思っています。

個人的には毎朝始業時間より早く出勤して、やるべき仕事を確認することで、1日のスタートが違ってくるような気がします。

予定面接などのアポイントメント。
院内院外のスタッフとの調整業務、書類、記録作成などのタスク。
そして、飛び込みの仕事に対応できるフリーな時間帯の確認。

私は簡単なボードを作って、そこにやるべき仕事をポストイットを張って管理(と言えるかは微妙ですが…笑)しています。カテゴリー別に張るところを分けて、終了した仕事のポストイットは剥がして破り捨てます(笑

メモやら、手帳やら、スマートフォンのアプリなど、タスク管理のツールってたくさんありますが、ボードに張って、視覚的に「やるべき仕事」が見えるということは安心感を与えますし、張り替えて、優先順位を前後させたり、関連する仕事同士を近くに貼付けたりなど、ということができるので、自分には合っているようです。

時間的・精神的な余裕を生み出す努力は、自身のパフォーマンスの質に直結するような気がします。

忙しそうな顔をして患者さん家族に関われば、それはノンバーバルなメッセージとして「わたしは忙しいので、あなたに割ける時間はあまりありません」と伝えていることになります。それってどうなんでしょうか?

忙しい時間の中でも、ゆったりとした雰囲気を身につけたい、というのが個人的な小さな目標でもあります。その上で、時間と課せられた仕事のバランスを自分の中で考え、調整できることはとっても大切だなと思っています。

自分の仕事のやり方を見直すって忙しさにかまけているとなかなかできないものです。
ルーチンの仕事を書き出してみたり、なんで残業が無くならないのかを考えてみることで、自分の仕事を見直すヒントを得ることも大事だなと思う今日この頃です。


【参考書籍】






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