概論:社会福祉士ってなに?

公開日: 2017/02/13 社会福祉士

某所の勉強会で「社会福祉士ってなに?」と題してお話をさせていただく機会がありました。その際のレジュメを転記いたします。社会福祉士のこと、ソーシャルワーカーのことを知らない人にわかりやすく伝えることのむずかしさを改めて痛感した時間でした。

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概論:社会福祉士ってなに?

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目次:

①社会福祉と憲法
②社会福祉と社会保障
③社会福祉士とは?
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①社会福祉と憲法
⑴生存権の保障と社会福祉
すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない(憲法第25条)


⑵社会福祉政策がサービスとして必要としている人に届くまでのプロセス

※用語説明
政策主体
社会福祉に関する政策を計画・策定し実行する主体。国が主に政策を立案し国会が法律として定める。
対象者
社会福祉の支援・援助を受けている人々(クライアント、利用者、要援護者等の呼称)


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②社会福祉と社会保障
⑴社会保障制度とは?
社会福祉は、社会保障の一部として位置付けられている.




⑵ライフステージごとの社会保障制度


⑵社会保障制度の方法
方法
制度の例
社会扶助
公的扶助
生活保護 ※無拠出だが資力調査を伴うため、スティグマが生じやすい
社会手当
児童手当、児童扶養手当特別児童扶養手当

※法の定める所定の支給理由を満たす場合に支給されるもの。事前の拠出を前提とせず、基本的に資力調査を伴わない定型的な給付
社会保険
(5種類)

※「保険料」という事前の拠出を伴う
医療保険(国民健康保険、健康保険、共済組合等)
年金保険(国民年金、厚生年金、共済組合等)
介護保険
雇用保険
労災保険
社会福祉サービス
児童福祉サービス
ひとり親福祉サービス
障害者福祉サービス
高齢者福祉サービス
※扶助:力を添えて助けること、の意
※スティグマ:他者や社会集団によって個人に押し付けられた負の表象・烙印。 ネガティブな意味のレッテル、の意


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③社会福祉士とは?
⑴概要
・生活する上で困っている人々や、生活に不安を抱えている人々、社会的に疎外されている人々に対して、関係を構築し、問題解決のための援助を提供する福祉系国家資格(介護福祉士、精神保健福祉士、社会福祉士、保育士)
・根拠法は「社会福祉士及び介護福祉士法(1987〜)」

社会福祉士が働く領域
高齢
地域包括支援センター、老人福祉施設etc...
保健医療
医療機関、保健所etc...
障害
障害者支援施設、相談支援事業所etc...
児童・家庭
児童福祉施設、児童相談所etc...
学校
教育委員会、小中高校etc...
労働
ハローワークetc...
更生保護
刑務所、保護観察所etc...
司法
法律事務所、家庭裁判所etc...
行政
福祉事務所etc...
地域
社会福祉協議会etc...



※ソーシャルワーカーとは?
ソーシャルワーカーとは、生活する上で困っている人々や、生活に不安を抱えている人々、社会的に疎外されている人々に対して、関係を構築し、問題解決のための援助を提供する国際的な専門職の総称。発祥はイギリス、アメリカ.(日本国内の国家資格:社会福祉士、精神保健福祉士)


ソーシャルワークの国際定義
”ソーシャルワークは、社会変革と社会開発、社会的結束、および人々のエンパワメントと解放を促進する、実践に基づいた専門職であり学問である。社会正義、人権、集団的責任、および多様性尊重の諸原理は、ソーシャルワークの中核をなす。ソーシャルワークの理論、社会科学、人文学および地域・民族固有の知を基盤として、ソーシャルワークは、生活課題に取り組みウェルビーイングを高めるよう、人々やさまざまな構造に働きかける”




⑵有資格者数
介護福祉士:約140万人 社会福祉士:約19万人 精神保健福祉士:約7万人




⑶社会福祉士がいるところ




※:社会福祉士は、いろいろなところにいる可能性がありますが、「必ず配置しなければならない」となっているのは、地域包括支援センター(高齢者の介護等の総合相談を行う機関)のみとなっています。








⑷社会福祉士がしていること


社会福祉士(ソーシャルワーカー)は、さまざまな領域で勤務しており、援助活動主体として対象者にさまざまな福祉サービスを届けている(※そうではない機関にいる場合もある)。その際、対象者の生活上の困りごとや、ライフステージに合わせて、利用可能な社会保障制度やそのほか社会資源などがあれば、それらを活用し、サポートしている。



1.いろいろなところにいて、
高齢
地域包括支援センター、老人福祉施設etc...
保健医療
医療機関、保健所etc...
障害
障害者支援施設、相談支援事業所etc...
児童・家庭
児童福祉施設、児童相談所etc...
学校
教育委員会、小中高校etc...
労働
ハローワークetc...
更生保護
刑務所、保護観察所etc...
司法
法律事務所、家庭裁判所etc...
行政
福祉事務所etc...
地域
社会福祉協議会etc...





2.対象者に福祉サービスを届け、 




















3.利用可能な社会保障制度やそのほか社会資源などがあれば、それらを活用


















社会福祉士(ソーシャルワーカー)は、さまざまな領域で勤務しており、援助活動主体として対象者にさまざまな福祉サービスを届けている(※そうではない機関にいる場合もある)。その際、対象者の生活上の困りごとや、ライフステージに合わせて、利用可能な社会保障制度やそのほか社会資源などがあれば、それらを活用し、サポートしている。





例:生活保護課のケースワーカーとは?

行政機関の生活保護課で経済的困難(国が定める最低生活費を下回る経済状況)にある世帯に対して、公的扶助サービスを届ける。世帯の生活上の困りごとに対して利用可能な社会資源があれば、それらを活用し、世帯の自立した生活をサポートしていく。









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