スーパービジョン研修開催後レポート
公開日:
2015/06/14
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スーパービジョン
6/10に兵庫医科大学の大松准教授をお招きし、スーパービジョン研修を開催しました。
イベントレポートはこちらです。(http://social-change-agency.com/archives/2009)
研修内容等については、上記リンク先をお読みいただければと思います。
スーパーヴィジョンの3つの機能である「支持的機能」、「教育的機能」、「管理的機能」の説明の中で、大松先生は、ピラミッドの図をもとに、「支持的機能」が根底にないスーパービジョンは、スーパービジョンではない、と話されていました。
そして、「支持的機能」の中で、このようなお話がされました。
『スーパーバイジーとスーパーバイザーが、一つ一つの業務の中で、できているところ、良いところ、これから伸ばしてほしい能力を共に理解し、認める。不安な気持ちをスーパーバイザーに確認してもらい努力を理解してもらうことで、スーパーバイジーはサポートされ、SWとしてのアイデンティティが明確になり業務への取り組み意欲が向上する』と。
少し話は逸れますが、スーパーバイズに限らず、みなさんは、他者から「この人は、わたしのことを理解しようとしてくれている」と感じる時、どれはどんなときですか?
私は、自分では気づけていない”肯定的(否定的)変化”を他者から言葉にしてもらったときに、「ああ、この人は自分のことをよくみてくれようとしている。変化を見つけ、それをフィードバックしてくれる、というめんどうくさいことを引き受けてくれ、理解しようとしてくれているのだ」と感じます。
「あなたのことは、わかっている」という言葉は、ときに、文字面の言葉とは裏腹に暴力性を伴うように思います。「あなたのことは、わかっている」とは、「あなたは、わたしの理解の範疇にある」ということの表明であり、それは、ときに人を突き放すような、ひどく傷つけてしまうことにもなるように思うのです。
「君が考えていることはわかっているよ」
「なにが、”わかっている”よ!あなたにわたしのなにがわかるのよ!全然わかってないじゃない!」
現場で、ソーシャルワーカーが、クライアントに対して安易に傾聴のうなづきと共に口にする「わかります」という言葉を聞いて、もしかしたら、相手は上記のように思っているかもしれません(ですが、非対称性と伴う援助関係が、それを口にさせないだけかもしれません)
「(他者について)わかる」とは、「(他者)を(なんとかして)わかろうとする過程」を、相手と共有することによって可能になる共有体験であり、そこで口にすることができるのは、「あなたのことは、わからないから、だから、(あなたのことを)教えてほしい」という、扉をひらこうとする態度表明かもしれません。
いつだって、ソーシャルワーカーは、初めて出会った「目の前にいるクライアント」の素人です。
「目の前にいるクライアント」の玄人であり専門家は、「目の前にいるクライアント自身」です。
数多の先達たちが言葉にしてきたことですが、今回の研修にて、再度思ったので、書かせていただきました。
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