精神力動的な視点をアセスメントに活かす〜「医療・保健・福祉・心理専門職のための アセスメント技術を深めるハンドブック――精神力動的な視点を実践に活かすために」〜
公開日: 2015/02/14 アセスメント チームアプローチ 勝手にブックレビュー 読書記録
例えば、事業を興すほどのバイタリティに溢れ、それなりの社会的地位にもあった方などが、疾病によっていろいろなことを失い、心の痛みや罪悪感に耐えられないときに、不安や苦痛を排除するために活性化する防衛メカニズムを躁的防衛と言います。
以下、非常に勉強になると思いますので、紹介をいたします。
「医療・保健・福祉・心理専門職のための アセスメント技術を深めるハンドブック――精神力動的な視点を実践に活かすために」から抜粋。
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躁的防衛は、万能的コントロール(例えば「自分が望めば、失った対象はいつでも取り戻せる」と感じる事)、失った対象の脱価値化や軽蔑感、勝利感、征服感などから成り、サディスティックで爽快な感情と理想化された万能的な空想に恥ることになります。
例えば
「脳梗塞による片麻痺と失語症を受容する過程で躓いている方です。社会的地位が高く、もともと自己愛的な傾向が強い方だったようですが、入院後は若い援助者を見下して怒鳴りつけたり、手足のように扱おうとする傾向がさらに顕著になっており、スタッフには陰性感情が生じやすいものと思われます。」
こうしたケースでは、このような躁的防衛としての視点を加えて、スタッフに対する脱価値化や軽蔑感、征服感と理解することもできそうです。
(P57-59)
………………………………………………………クライアントの心理社会面をアセスメントし、他スタッフとそれを共有することは、上記のような精神力動的な根拠に基づくものであるという知識は有しておいたほうが、パーソナリティへの理解は深まると感じますので、下記書籍を共有しました。100ページもないのでさくっと読めますのでぜひぜひ!とてもオススメです!!
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