ソーシャルワーカーの実践はアートなのか?という問いについて考える
公開日: 2015/01/26 CSW CW 勝手にブックレビュー 読書記録
「ソーシャルワーカーの実践はアートなのか?」
この問いについて私は、半分はNOと結論付けています。
理由は、ソーシャルワーク実践は、一般化できることがまだまだたくさんあると考えているからです。
このようなことをやるようになってから現場のソーシャルワーカーの方(社会福祉士、精神保健福祉士など)からお話を色々とお伺いしています。
色々な話を聴く中で、当然、援助者の数だけストーリーがあり、 そこから気づき、
学ばせていただけることの多さを改めて痛感すると共に、 経験に基づいた、たしかなる言葉をもつ援助者の方の話(実践知)はそれだけで、おもしろく、かつ、 抽象化することで、多様な活かし方ができる、ということに気づきました。
やはり、
でも、それを為し、かつ、
日本全国の援助者の間で共有できる規模までもっていくには相当骨 が折れるし、
時間もかかるだろうけれども、やはり、 これは必ず成し得るべきことだと感じます。
共有知化されたものを有効に活用できる仕組みは、日本全国の援助者の「選択可能な武器」を増やし、 それがひいては、質の向上に寄与することになるのだと, そう思うのです。
ひとりの援助者が勝ち得た実践知を、共有知化するには、
いち聴き手として、多様な現場の人の業務や、やり甲斐や、
おそらく、これは、話し手のみなさんが絞り出してくださった、
そして、その思考の枠組みこそが、領域が違っても、 同じ援助者として共有できる、共有知とは何か?
ということを考える上の、 ひとつの仮説モデルに成り得るのかもしれないと感じるのです。
援助者の実践を、アートだ職人芸だと呼ぶ言葉は、 おそらく数年後、自身の実践の一般化という研鑽を為さない人間の「スケープゴート」にしか過ぎなくなるのだと思います。そう、 確信めいたものをもちました。
援助者の実践を、アートだ職人芸だと呼ぶ言葉は、
さいごに、印象にのこった言葉をふたつ紹介します。
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【担当地区において、 住民主体のとある自発活動が立ち上がった経緯を振り返って By CSW(コミィニティ・ソーシャル・ワーカーの方】
地域活動を支援するというのは、すぐには芽が出てこない。 これでいいのかな?と思うとき、心が折れそうになる。
芽が出るまで7年かかった。先輩たちが撒いてきた種が、 やっと自分のところで花開いた。地域の活動は、 長い時間軸で見なければならない。
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【担当地区において、
地域活動を支援するというのは、すぐには芽が出てこない。
芽が出るまで7年かかった。先輩たちが撒いてきた種が、
5年、10年の話をしなければならない。
(ご自身の援助を、歴史と時間軸の中で捉える視点!!なるほど! )
【現場での実践の一般化、共有知化の必要性について By生活保護ケースワーカーの方】
ソーシャルワーカーの30年選手がいたとして、 その人と同じ境地に至るまでに, 同様に30年かかるのであるとしたら、「その間に出会ったクライエントの方に申し訳なく思う」、 実践知を一般化し共有知化することで、『必要な回り道を、必要最低限にする』 そういうことの必要性を共有して、やっていかなければならない。
(ご自身の援助を、歴史と時間軸の中で捉える視点!!なるほど!
【現場での実践の一般化、共有知化の必要性について By生活保護ケースワーカーの方】
ソーシャルワーカーの30年選手がいたとして、
(異論なし。まさにそのための共有知化だと思います。)
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自己研鑽を惜しまない人は、漏れなく,学び、悩み、
SCAは、業種や領域に特化することはしません。
どんな領域であろうと、目の前のクライエントに関わる中で、
その循環を持とうとするすべての人に対して常に開かれた場であり たいと思っています。
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【コミュニティソーシャルワーカーが主人公の漫画】
NHKドラマ「サイレントプア」のモデルにもなった豊中市社会福祉協議会著です。
【生活保護ケースワーカーが主人公の漫画】
実態をかなりリアルに描いています。
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