主訴(S)を聴けるソーシャルワーカーになろう

公開日: 2012/06/05 MSW キャリアデザイン 思索


先日、同業者の先輩(回復期勤務のMSW)の話を聞いていた時、「日々、転院相談を受けていて、ホントに、最近はSが聞けないMSWが多いなーと思う」との言葉がありました。(SOAPのSのことです)
(参照:援助記録を書くことの意義について考える)


これを聞いてはっとするともに自戒せねばと思いました。


患者さん家族に関する客観的事実の収集は大事ですし、それがないと援助の組み立てはできないですが、「患者さん家族が語るSubjective」をソーシャルワーカーが聞けないとはなんぞや?と思うわけです。



Sは「Subjective」でもあり、「Start」のSでもあるのだと思います。

それがないとはじまらない。
クライエントの「今、ここ」からはじめる。それが基本なのだと思うのです。


たしかに、主観的語りは、揺らぎ、うつろうものです。
それゆえ、ソーシャルワーカーが援助の根拠として、主観的な語り(だけ)を採用できないということは、論としてはわからないでもありません。

ですが、厳しい言い方をすれば、
それは単にソーシャルワーカーが患者さんを信じられていないだけなのだと思うのです。

相手を信じられない。
そして、そもそもソーシャルワーカーが自身を信じられてない。
本当にただそれだけだと思うのです。


ゆらぎ、うつろゆく主観的語りを聴くこと。
そして客観的事実の収集すること。
それらを組み立てながら、その人が直面しているリアルに近づいていく。


まずはそれが成されないと援助関係は本当の意味でスタートしない


でも、それが成されれば、援助の6割くらいは果たせたといっても言い過ぎじゃないかもしれないなと思っています。



Sは「Subjective」でもあり、「Start」のSでもある。


Sを聴けるソーシャルワーカーになろう。


そうしよう。










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